・新しい大人世代(40-60代)全体の94.4%が自分らしいライフスタイルを創造したいと回答。
・住環境がライフスタイルのために重要と考えるのは、新大人世代女性の7割。
・変えたい住環境のトップは、「エコ」で「ユニバーサル」、上位に「夫婦で会話できるリビング」「ゆったりくつろげる浴室」「ゆっくり休める寝室」。
2014年2月4日
いま40-60代生活者が「日本の高齢社会を大きく転換」しようとしています。会社は退職しても社会はリタイアしない人たちが増えています。「博報堂 新しい大人文化研究所」は、これらの世代を総称して“新しい大人世代”と名付け、調査研究を行っています。2012年度は『絶滅!?する中高年-“新しい大人世代の登場”』と題して連続レポートを発表してきました。このたび全国40-60代男女に対する調査を実施し、分析を行った結果、高齢社会が“新しい大人社会”へと転換する「兆し」が見えてきました。新しい大人世代、とりわけ、リタイアした60代の団塊世代が、今ようやく動き出し、日本の高齢社会そのものが、生活者の力で大きく転換しようとしています。調査結果から読み取れる変化の兆しを、生活のさまざまな角度からご報告します。
その⑥は、「住」です。
人生で最も大きな買い物といえる「住宅」。これまでの高齢者は、老後生活に向けた住居の改善を目的に、老朽化した箇所の修繕や手すりを付けるといった単純な改修を行うのが一般的なイメージでした。
このたびの調査結果では、生活の多様化に伴い、エルダー世代の意識に「静かな余生」という概念ではなく、「ライフスタイルを創造」したいという欲求が起きていることが見えてきました。この変化は、団塊の世代がリタイアしたことで起こっていると思われます。また、創造の実現には「住環境」を整えることが重要な要素のひとつと捉えていることもわかりました。
“エコを意識した太陽光発電の設置”“家族と会話を楽しむためのリビング”など、如何に生活を便利で快適で豊かなものにするか、社会貢献も含め、意志と目的を明確に持ち、自分なりの「ライフスタイルを創る新しい大人」へと変化しています。これらは、まさに高齢社会そのものが変わる兆です。40-60代が概ね、その傾向にあるため、これが一過性のものでなく、今後、少なくとも20年は続き、高齢社会全体を大きく変えて行くと見られます。