「介護予防」を心がけ、「健康向上」を手段として
「生活を充実させ、楽しみたい」という気持ちが強い。
・「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」は全体の9割で、「健康を向上させて、生活を充実させたい/楽しみたい」は全体の8割。
・現在携わっている介護に関しては「精神的負担」が大きく、自身の介護に関しては60代の83.2%が具体的な「介護予防」策を実践している。
博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代“と呼び、調査研究を行っています。
調 査結果を見ると、40~60代の変化は、 さらに本格感を増しています。新大人研レポート2012~13年は「絶滅!?する中高年-“新しい大人世代の登場”」、2013~14年は「いま高齢社会 は“新しい大人社会”へと大きく変化」でした。2015年はあらためて生活者の変化に注目して『シニアから新大人へ』。自分たちは従来の50・60代とは 違うという意識が高まっています。40代も含めて、単なる「若々しさ」だけでなく多方面での新たな兆しが見えて来ました。今回のシリーズでは、消費にも大 きな影響を与えるその生活者の意識変化を明らかにして行きます。
今回の調査結果から、新しい大人世代は、「今の暮らしを保ちたい」だけにとどまらず、「生活を充実させ・楽しむ」ために自身の健康の維持・向上を目指し、介護予防を心がけていることが見えてきました。
「健康維持」に関しては全体の91.1%が「健康を維持して今の生活を保ちたい」と答えており、「いまの健康を向上させてさらに生活を充実させたい・楽しみたい」は82.1%にのぼりました。「健康」がゴールなのではなく、ゴールはあくまで「生活を充実させたい・楽しみたい」であり、その手段としての健康を心がけていることがわかりました。新しい大人世代にとって「健康」は歳を重ねても楽しく充実した生活を送るための手段の一つという気持ちが強くなっているようです。
一方で、前向きな新しい大人世代においても、相変わらず「介護」という問題は重要なテーマとなっています。50・60代の20%が「現在、介護が必要な家族がいる」と回答しており、男女別でみると女性の方が「介護が必要な家族がおり、自分も介護に携わっている」割合が高くなっていました。
また、介護に対する負担について聞いてみると、五大負担(精神的負担、時間的拘束、肉体的負担、金銭的負担、情報の不足)のうち最も高いのは「精神的負担」となりました。しかし、その経験からか、自身はなんらかの「介護予防」をしようとしており、60代の「介護予防」をしている割合は83.2%と前向きな意識が伺えます。