博報堂生活総合研究所の、2017年の大きな研究テーマのひとつが、何かに熱中する=[好き]という感情です。
社会には実に多様な[好き]があふれ、[好き]が高じて思わぬ人とつながった人や、[好き]が仕事になった人、
[好き]を核にしてコミュニティを創った人など、多くの可能性を秘めています。
経済・消費の停滞や少子高齢化等の課題を抱える日本において、生活者の[好き]が発する力をひとつの社会資本=「熱動資本」としてきちんと活かしていくことが、これから先の未来に向け、社会・経済を浮揚していくための重要なカギとなるのではないか。そんな思いから、[好き]の未来について研究を進めてまいりました。
研究の一端として、生活者の現状の[好き]を多面的に把握すべく、様々な事柄を複数の生活者アンケートによって聴取しました。本リリースでは、その調査結果の一部から、生活者の[好き]の意識・実態をご紹介します。
なお一連の研究成果については、1月25日発行予定の書籍『みらい博2017 好きの未来』(本リリース末尾参照)や関係者・報道向け研究発表イベント「みらい博2017」等(別途ご案内)を通じて発表してまいります。
【生活者の熱中度合い】
[好き]を持っている人:生活者の62%が、「熱中しているものがある」
・大好きで熱中していることや、はまっている物事の有無について聞いたところ、全体の61.9%が「ある」と回答しました。
・男女別では男性が64.5%、女性が59.3%と、男性が5ポイント近く上回る結果となりました。
[好き]への熱中度合い:そのうち14%が[好き]によって副収入を得ている
・大好きで熱中していることや、はまっている物事がある人にその熱中度合いについて聞いたところ、「自分なりの新たな楽しみ方を作り出している」との回答が最も多く79.3%となりました。
・「メディアに取り上げられたことがある」人は18.3%、「小遣いや副収入を得ている」人も14.0%にのぼりました。
[好き]の将来展望:[好き] で副収入を得たい/他者・世の中に役立てたいが3割
・大好きで熱中していることや、はまっている物事がある人に、将来的な向き合い方について聞いたところ、「小遣いや副収入を得たい」、「他の人や世の中のために役立てたい」との回答がそれぞれ32%前後にのぼりました。
・最も多かったのは「自分なりの新たな楽しみ方を作り出したい」との回答で、84.7%となりました。
【生活者の[好き]意識】
「LIKE」と「LOVE」の違い①:日本語では同じ[好き]でも…「LIKE」と「LOVE」は違う=8割
・生活者の[好き]に対する捉え方を調べるため、[好き]を表す言葉である「LIKE」と「LOVE」に対する認識について聞いてみたところ、「LIKE」なもの・こと・ひとと「LOVE」なもの・こと・ひととは、「違う」との回答が8割となりました。
「LIKE」と「LOVE」の違い②:温度で表すと…「LIKE」は65.8度、「LOVE」は78.0度
・生活者の「LIKE」と「LOVE」に対する認識について、 「LIKE」なもの・こと・ひとへの情熱と「LOVE」なもの・こと・ひとへの情熱とを、それぞれ温度で表現してもらったところ、平均して「LIKE」は65.8度、「LOVE」は78.0度となり、「LOVE」が上回りました。
「いいね!」の値段:SNSの「いいね!」1回あたりの価値は556円
・生活者の[好き]に対する捉え方を調べるため、 SNSの「いいね!」などのリアクションが金額に置き換えると、どの程度の価値になるのか聞いたところ、自分の投稿に対してもらえる「いいね!」は1回あたり556円の価値があるとの結果となりました。