ボーナスシーズンの7月。
金銭的余裕が生まれ、幅広い分野で消費意欲が高まっている
株式会社博報堂(本社・東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
7月の消費意欲指数は49.1点で、前年同月比-0.5ポイント。6月の最低値となった前月から+3.8ポイント上昇しました。
Point 1:金銭的余裕があるとの声が増加。多分野で消費意欲の高まりが見られる
7月はボーナスの時期であり、例年消費意欲が高まる月です。消費意欲指数の理由(自由回答)を見ると、「ボーナスがあるから」をはじめとした「金銭的余裕がある」が前年よりも増加しており(16年7月81件→17年7月103件)、用途としては「旅行の予定がある」(16年7月22件→17年7月37件)や「イベントがある」(16年7月27件→17年7月38件)などが増えています。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスの内訳でも「外食」「家電・AV」が前年同月に比べて30人以上増加したほか、「ファッション」「理美容」を除くすべてのカテゴリーで前年よりも増加しており、幅広い分野で消費意欲が高まっています。
Point 2:点数の伸び悩みは、消費を控える層の点数下落によるもの
自由回答からは消費意欲の高まりがうかがえる一方、消費意欲の点数は前年同月比-0.5ポイントと伸び悩んでいます。
消費意欲指数の理由で、①消費に対して積極的な回答をした人(415人)、②消極的な回答をした人(885人)、③どちらでもない中間の回答(「今は様子見」や「特になし」など)をした人(289人)に分けて点数の平均を算出すると、①の積極層は74.0点(前年比+0.7ポイント)、②の消極層は37.9点(前年比-1.8ポイント)、③の中間層は48.0点(前年比-4.1ポイント)と、積極層の点数が伸びているのに対し、それ以外の層の点数が下がっています。このように、消費に積極的な層の意欲が高まっても、それ以外の層が足を引っぱることで、全体の消費意欲指数が伸び悩むという構造が見えてきました。
※ ①~③の回答者数の合計は、消費意欲の理由として一人の回答者が複数の回答を挙げている場合があるため、サンプル数(1,500人)と一致しません。
■ 質問項目(質問文)
[消費意欲指数]
消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、
あなたの来月(7月)の消費意欲は何点くらいですか。(自由回答)
また、あなたがその点数をつけた理由をお答えください。(自由回答)
[特に買いたいモノ・利用したいサービス]
あなたが来月(7月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスはありますか。(単一回答:ある/ない)
特に買いたいモノ・利用したいサービスとは何ですか。(複数回答)