博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代”と呼び、調査研究を行っています。いま、40~60代はさらに大きく変化し、今後高齢社会を大きく変える兆しを見せています。2015年調査では『シニアから新大人へ』と、自分たちは従来の50・60代とは違うという意識の高まりをレポートしました。今年3月の調査結果に基づく今回のシリーズでは、「新しい大人へ:オンナも変わるオトコも変わる」として、さらに進化する生活者の意識変化を明らかにして行きます。
■「“シニア”と呼ばれて自分のことだと思う」50・60代はこの5年で著しく減少
調査結果から、「“シニア”と呼ばれて自分のことだと感じる」割合は年を追うごとに減少していることがわかりました。 50代では、2012年は19.7%、2015年は13.1%、そして2017年は12.6%と、遂に「50代の9割は“シニア”と呼ばれても自分のことだと感じない」状況になっています。50代のほとんどの人にとって「シニアは他人事」です。さすがに60代では、2012年では56.1%と半数を超える人が“シニア”の自覚がありましたが、2015年には46.2%、さらに2017年には41.3%と、60代でも半数を割り、5年間で15%も減少しました。
■「“シニア”と呼ばれたいと思う」50・60代は極めて少ない。
さらに「 “シニア”と呼ばれてみたい」か、という質問に対して、60代では2012年が12.9%、2017年が11.9%と、60代の9割は“シニア”と呼ばれたいとは思っていません。 ちなみに、 50代で“シニア”と呼ばれたいと思う割合は、 2012年が3.7%、2017年が3.5%ですから、そう思う50代は希な存在ともいえます。さらに「 “シニア”と呼ばれてみたい」か、という質問に対して、60代では2012年が12.9%、2017年が11.9%と、60代の9割は“シニア”と呼ばれたいとは思っていません。 50・60代に向かって「シニアはもっと元気に」などと呼びかけても全く他人事になってしまうか、場合によっては余計なお世話だと反感を買うことにもなりかねません。
■ 50・60代は“新しい消費やライフスタイルを作ってきた”自負がある
上記の理由となるのが、新しい大人世代は「新しい消費やライフスタイルをつくって来た」という意識があるということです。「自分達は新しい商品やサービスを率先して消費してきた」と思う割合は64.8%あり、「自分達はいつも新しい生き方やライフスタイルを作ってきた」も 56.2%です。
しかも前者は、50代が68.7% 、60代が64.8%と50・60代が40代を上回り、後者も 50代が60.6% 、60代が59.7%と50・60代が40代を上回る結果となっています。つまり、50・60代には、新しい消費やライフスタイルを作ってきた自負があり、だからこそ「シニアと呼ばれてもピンと来ない」ということになるといえます。
過去の「博報堂新しい大人文化研究所」調査レポートはこちらからご覧になれます。
http://www.h-hope.net/(新大人文化研究所ウェブサイト)