株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)は、画像を通じて生活者が描くブランド世界観を検証する、AI活用分析サービスを開発しましたのでお知らせします。
本サービスは、企業や団体、または商品・サービスに関連する各種SNS画像を分析することで、生活者が現在描いているブランド世界観を検証する、独自のサービスです。また広告クリエイティブを分析することで、広告に描かれているブランド世界観と実際に生活者が描いているブランド世界観の差分を計測することができます。画像は、ブランディング・イノベーション創発の専門組織である博報堂ブランド・イノベーションデザインのコンサルタントが事前にインプットした12種の「パーソナリティ※1」と44種の「シーン※2」別に分類され、各指標のスコアをもとにクラスターマップを作成します。調査票ではなく画像データを活用することで、非言語情報の分析が可能になるほか、周辺環境を含めた現状のブランドイメージの定量的な把握や、定点的な観測を通じた長期に渡るブランド管理が可能です。ディープラーニングにおける独自技術を保有し、ディープラーニングをあらゆるモノに適応するDoT(Deep Learning of Things)を推進するLeapMind株式会社(東京都渋谷区、代表取締役CEO:松田総一)の協力により、サービス実現に至りました。
これまで、ブランド世界観分析においては、知識と経験が豊富なスタッフによる膨大な画像の読み込みが不可欠であり、多くの作業時間が必要とされていました。今回開発したAI活用分析サービスを活用することで、それらの時間を大幅に削減し、クライアントの現状を俯瞰してスピーディーに課題を抽出、戦略的なブランディングの提案に繋げていくことを狙います。まずはプロトタイプ版として運用しながら、以降もアップデートを推進し、付加価値の高いサービス化へと繋げていきます。
博報堂は今後も、データやテクノロジーを活用し、クライアント企業への質の高いブランディング・イノベーション支援を行ってまいります。
※1 「パーソナリティ」
ブランドを一人の人間に例えた時に保有する人格を表す。博報堂ブランド・イノベーションデザインは数多くの形容詞を定量的に分析し31種類に集約。更にそれを大きな方向性として、12種類のパーソナリティ(人格)に分類している。
※2 「シーン」
対象ブランドが写り込んだ画像の背景のこと。代表的なシーンである44シーンをプリセット。今後、シーンを拡充予定。
※3 「CNN」(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)
ディープラーニング のアルゴリズムの一つ。局所的な情報の抽象化及び位置普遍性をもたせた順伝播型ニューラルネットワークを利用したアルゴリズム。DNN(Deep Neural Network)を2次元データに対応させたもので、画像に対して高いパターン認識能力を示す。
※4 「K-means」
クラスタリング(分類対象の集合を,内的結合 (Internal Cohesion) と外的分離 (External Isolation) が達成されるような部分集合に分割すること)の手法の一つ。
___
■LeapMind株式会社について
ディープラーニングをあらゆるモノに適用するDoT(Deep Learning of Things)の実現を目指し、ソフトウェアとハードウェアの両領域からニューラルネットワークモデルの改善や独自のアルゴリズム研究を行っており、モデル構築からモデル圧縮・高速化、FPGAをはじめとする組込みハードウェア上への実装までをワンストップで提供しています。これにより、実ビジネスにおいて、省スペース、低消費電力、インターネット不要、高い応答性(リアルタイムで処理が可能)での組込みディープラーニングが実現できるようになりました。さらに2018年からは、LeapMind社の技術やナレッジをツール化した、組込みディープラーニングのトータルソリューション「DeLTA-Family」の提供を開始。自動運転、食物の異物混入検査、ドローンを用いた橋梁検査、スマート家電への組込み、監視カメラ人物検知などをはじめとした様々な領域でのディープラーニング導入が可能となります。
LeapMind株式会社 公式サイト:https://leapmind.io/
「DeLTA-Family」 公式サイト:https://delta.leapmind.io/
■博報堂ブランド・イノベーションデザインについて
博報堂内の次世代型コンサルティング専門組織。マーケッター、デザイナー、コピーライター、一級建築士、組織開発コンサルタント、リサーチャーなど、多彩なバックグラウンドを持ったメンバーより構成され、戦略からアウトプットまでをワンストップで実行するのが特徴です。ブランド戦略立案をはじめ、組織・風土改革、ビジョン策定、新事業開発、商品・サービス開発、CI・VI、ネーミング、空間デザインといった様々なビジネス領域をカバーし、クライアントや外部専門家と深くコラボレーションする「共創型」のプロジェクトを得意としています。(代表:宮澤正憲)
博報堂ブランド・イノベーションデザイン 公式サイト:http://h-bid.jp/
PDF版はこちら