ようやく活性化しつつある団塊消費。
退職金の使い道は、「旅行」「ライフスタイル」「投資」から。
・退職金の使い道、1位が国内旅行53.3%、2位が海外旅行37.7%、3位がリフォーム・建替え34.9%。旅行やライフスタイル関連に積極的に消費するなど、団塊世代の消費は徐々に本格化。
・退職前の意向と比較をすると、退職金の実際の使い道として割合が高いのが、リフォーム、普段の食事、株・投資信託など、投資と新しい大人のライフスタイル作りにお金を使っている。
・40~60代は、「新しい消費やライフスタイルを担ってきた」という自負があり、食べ歩き、ガーデニング、洋画観賞にお金と時間を使いたいと思っている。
2012年8月27日
40~60代の意識が従来の常識から大きく変わり、いまや「絶滅!?する中高年」とでも言うべき状況が現れています。「博報堂 エルダーナレッジ開発新しい大人文化研究所」では、人生を前向きにとらえ、若々しくありたいとする新たな40~60代を総称して「新しい大人世代」と名づけ、彼らの志向や生活を探る様々な調査を実施しています。このたび、全国の40~60代の男女3708名に向けた調査から、40~60 代のお金に関する意識についての分析結果をまとめましたので、ご報告いたします。
分析結果からは、40~60代の新しい大人世代が、健康を気遣いながらも、食べ歩きやエンタメ、文化的な娯楽に対して強い関心を持っていることが明らかになりました。従来の枯れていく中年・老後観ではなく、「より人生を楽しみ前向きに暮らしていきたい」という意識が顕著です。また「リタイアした団塊世代が予想したほど消費を行わない」と一時期は言われましたが、リーマンショックの影響も和らいで徐々に本来の消費意欲が活性化してきています。
リタイアした団塊世代(60代前半)に対して退職金の使い道について尋ねたところ、1位が国内旅行53.3%、2位が海外旅行37.7%、3位がリフォーム・建替え34.9%という結果となり、旅行やライフスタイル関連に積極的に高額消費をしていることが分かりました。特に、退職前の意向よりも実際に退職金を消費している割合が高いのが、リフォーム、普段の食事、株・投資信託などです。団塊世代が消費を徐々に本格化し、とりわけ「旅行」「ライフスタイル」「投資」を中心に新しい大人文化をリードしはじめました。
また、40~60代に対して、自分が属する年代についての意識を尋ねたところ、「新しい消費やライフスタイルを作ってきた」と回答した方が6~7割、今後も消費・ライフスタイルをリードしていくと回答した方も4割強と、“消費やライフスタイルのリーダー”としての強い自負が伺われました。今後、お金や時間をかけたいのは、食べ歩きが3割弱でトップ。そして、映画・美術館/博物館利用などのエンタメや文化活動が続き、特に女性を中心に関心が高いことが分かりました。
40~60代に対して、1ヶ月あたりの食費とこづかいの金額を調べたところ、食費は平均4万8300円、こづかいの金額は、3万1400円。年代が上がる程金額が上昇し、一番お金を掛けているのが60代で食費5 万2700円、こづかい3万3260円。子育てが完全に終了し、夫婦二人の普段の生活にお金をかける傾向にあるようです。
★過去のレポート
・新大人研レポートⅠ ”新しい大人世代”の人生の捉え方(2012/1/19)
・新大人研レポートⅡ ”新しい大人世代”の言われて嬉しい言葉(2012/2/1)
・新大人研レポートⅢ ”新しい大人世代”のコミュニケーション(2012/4/16)
・新大人研レポートⅣ ”新しい大人世代”の健康意識(2012/5/31)