認知症患者の課題にデザインの力で挑む産学共同プロジェクト
2月19日、認知症患者に向けたデザインワークショップを熊本市にて開催
2013年2月13日
株式会社博報堂(東京都港区)のソーシャルデザイン専門組織hakuhodo i+dは、九州大学大学院 芸術工学府・統合新領域学府清須美研究室(福岡県福岡市)、認知症専門介護施設「あやの里」(熊本県熊本市)と共同で、認知症患者とその家族を取り巻く課題をデザインの力で解決し、患者の方が自分らしく人生を楽しむことができる社会を目指す研究プロジェクト「認知症+designラボ」を立ち上げ、活動を開始致します。
高齢社会に向かう日本において認知症患者は既に305万人に達しており、認知症患者のケア、QOL対策は社会全体で取り組むべき重要な課題となっています。しかし、患者が増える一方で、認知症に対する一般的な理解は十分に進んでおらず、認知症患者が自分らしく人生を楽しむことのできるサービスや仕組みが必要とされています。厚生労働省も2012年9月に「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を発表し、今後認知症に対する自治体や民間の取り組みが一層活性化されると考えられます。
このたび活動を開始する「認知症+design ラボ」は、hakuhodo i+dがこれまで生活者の諸課題の解決に取り組んできた経験や、全国の認知症患者家族に向けて行った調査からの発見をもとに、九州大学大学院 芸術工学府および統合新領域学府清須美研究室が持つ人間の感性に関するアカデミックな知見、さらに認知症専門介護施設「あやの里」が持つ介護現場での経験を結集し、デザインの力を活用したワークショップやツール開発などを行ってまいります。
活動開始にあたり、2月19日に、第1回「認知症+designワークショップ」を熊本県熊本市で開催いたします。認知症介護の現場では、患者の脳に刺激を与えることによって、昔の記憶を引き出したり、そこから新しいコミュニケーションを生み出そうとする取り組みがなされています。「認知症+designワークショップ」では、患者に写真を提示しながら様々な質問を投げかけ、過去の記憶や未来の希望についての言葉を引き出していくオリジナルの手法によって、患者の認知の維持を図ります。
今後、当プロジェクトでは九州大学大学院 芸術工学府および統合新領域学府清須美研究室の授業の一環として、学生とともに認知症患者の家庭を訪問し、課題の発見と解決を共に考える取り組みを予定しているほか、認知症患者の課題解決に貢献するツールの開発等も行って参ります。
本件の詳細は添付のニュースリリースよりご覧ください。
ニュースリリース(PDF)