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ヒット習慣予報 vol.36『気分チェンジ用品』

2018.08.14
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。
まだまだ暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
外の暑さを想像すると、腰が重くなってしまい、おでかけする予定があっても、なかなか気分がのらないこともあるのではないでしょうか?

今回は、そんな気分を賢く自分でコントロールする「気分チェンジ用品」を取り上げます。これまでは、ただの日用品として固定して使われがちだったものが、気分に合わせて使い分ける「気分チェンジ用品」として、同時に複数の銘柄(種類)を所有されるようになってきました。

JUMII TOKYOが女性向けに行った調査では、“気分を変えるために何かをしたい”と考えている女性がほとんどで、“気分を変えるために試してみたこと”として挙げられていたことのトップは、「ネイルを変える」でした。これは、なんとなくイメージできる方も多いのではないでしょうか?

※出典:JUMII TOKYO調査

ただ、SNSを見てみると、もっと身近に「気分チェンジ用品」として利用されているものがありました。
例えば、香水です。
従来は、一つの香水を愛用しつづけることで、“〇〇さん=△△の香水の匂い”というイメージが持たれがちでしたが、最近では、会うたびに違う香水の匂いがする女性も増えてきました。

他にも、シャンプーが挙げられます。現在でも、一度シャンプーを買ったら、それを使い切るまでは同じものを使い続ける方がほとんどだと思います。そんな中、複数のシャンプーを同時に購入し、その日の気分によって使い分ける人も少しずつ増えてきました。友達の家に遊びに行ったら、お風呂場に複数の銘柄のシャンプーが置いてあったという経験がある方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?

また、ティーンズにおいては、スマホケースにも同様の傾向が見られます。お気に入りのスマホケースを複数持っておき、その日の気分に合わせて、スマホケースを付け替えるそうです。実際に、以前お話しする機会のあった女子高校生も、5つほどのスマホケースを所持し、毎日それを付け替えて楽しんでいると言っていました。

こうした兆しを早々に捉え、企業や雑誌メディアからも、曜日ごとの気分を加味して制作した曜日別ファッション/メイクなどの情報が発信されるようになってきました。

では、なぜ気分によって日用品を使い分けるようになってきたのでしょうか?
それには、大きく2つの理由があると考えています。
1つ目は、モノのバリエーションが日々増え続けていて、選び抜くことが困難になっていることです。シャンプーひとつとっても、年々商品が増えています。それに伴い、匂いがいいもの、髪に優しいもの、パッケージがかわいいものなど、選別する際の評価軸も増え、ベストの1つを選ぶことが難しくなってきたのではないでしょうか?
2つ目は、セルフコントロール志向の高まりです。糖質制限や筋トレが流行したことで、自分で自分の身体を管理することが当たり前になってきました。その考え方がマインド面にも広がり、セルフマインドコントロール志向が出てきたのではないかとも考えられます。気分が落ちているのなら、自分で気分を上げればいい。そんな風に思えれば、毎日がちょっと楽しくなりそうな気もしますね。

最後に、「気分チェンジ用品」のビジネスチャンスについて考えてみました。
どんな日用品にも“気分”を付加することでバリエーションを広げられるポテンシャルがあるのではないでしょうか?

「気分チェンジ用品」のビジネスチャンスの例
■居酒屋で、「悲しいハイボール(甘め)」「嬉しいハイボール(炭酸強め)」など、気分に合わせて選べる気分酒をメニューに加える。
■化粧品メーカーが、デイリーに肌の調子に合わせて選ぶ「肌気分スキンケアセット」を発売する。
■電子メーカーが、気分によってボタン一つで模様を変えられる「100種類の模様入りデジタルスマホケース」を発売する。
など

“なんだか気乗りしないなー”なんてときは、「気分チェンジ用品」を使って、自分で自分の背中をポンと後押ししてみてはいかがでしょうか?

植月ひかる(うえつき・ひかる)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2017年 博報堂に入社。
2年目のマーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、社会に新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。最近は、Tik Tokで可愛い女の子を見ながら気分を上げています。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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