こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。
4月にカナダのトロントから3ヶ月振りに帰国しました。—20度のトロントから春めいてポカポカ暖かい、桜満開の日本に戻るのはかなりのギャップでしたが、桜を見て「改めて日本はいいなあ」としみじみ思いました。
さて、そんな帰国第一弾のテーマは「夢を叶える、シェア開業」です。
3ヶ月日本にいない間に人気グループが活動休止を発表していたり、新年号が決まったりと世の中は慌ただしく進んでいてすっかり浦島太郎状態になってしまいました。そこで不在中どのようなことが注目されていたのかを見るため、今回も株式会社エム・データのTV番組の放送内容をテキスト化・データベース化した「TVメタデータ」を用いて最近話題になっていることを調べてみました。「注目」というキーワードで検索したところさまざまなキーワードがヒットしました。その中で気になったのが「軒先レストラン」や「間借りレストラン」。ここ数ヶ月の間に各種情報番組でいくつかの特集が組まれていました。
「軒先レストラン」とは、通常夜営業しているレストランのお昼の時間や定休日等、閉店している間に他の人に店舗を貸し出すことで、隙間時間を有効活用して収入を得られるシステムです。レストランを借りる側は通常時間やお金がかかる物件探し、設備の整備や敷金礼金含めた賃料が安くなり、今までよりもぐっと手軽かつ低リスクで開業することができます。実際にそんな飲食店オーナーと開業希望者をマッチングしてくれるサービスも最近注目を集めているようです。来店するお客さんは色々なお店が次々にオープンするので食事の選択肢の幅が広がり、珍しいお店を発見する楽しみが増えるというメリットもあります。
「軒先レストラン」を実際にやっている人の特徴を見ると、基本的には「いつかは自分の店を持ちたいけれど資金がないためとりあえず開業をしたい人」、「既にお店を経営していて、その2号店として借りる人」等、既に飲食を本業としていたり、本業にしたいと考えている人が多い印象でした。そんな中気になったのは、もともと飲食は本業ではないけれど、自分の夢だったレストラン経営を低リスクで叶えた人もまだまだ少数ながらいたことです。本業は別にありながら副業感覚でやっているサラリーマンや、主婦の方たちが、自分の空いた時間で半分趣味的に飲食店の開業を楽しんでいるのでした。確かに「軒先レストラン」のお店で売られているメニューはどれもこだわりが強そうな本格的なメニューや個性的なものが多く、作り手が楽しみながら作っている印象も受けます(ちなみにより本格に見えるのは出店の費用が削減できるのでその分材料費等に還元することでこだわりが追求できるということもあるようです)。
ここ数年、「副業」は大きなムーブメントになっていて、週末起業やプチ起業という言葉も広まるほど副業を持つことが当たり前になりつつあります。そこから少し進化して、せっかく副業をするなら趣味と実益を兼ねることをしてみたり、一見ハードルが高いと思われるようなレストランやお店を経営してみる等、ちょっと大胆だけど夢のある新たな副業のスタイル、「夢を叶える、シェア開業」が拡がる可能性が考えられます。
ちょうどここ数年は日本でもシェアハウス、カーシェアリング等のシェアリングエコノミーが当たり前のように広がっていて、お店等をシェアすることに対しても抵抗が少なくなっている点も「夢を叶える、シェア開業」を後押しする一因になる気がします。
<「副業」の検索推移>
<「シェアリングエコノミー」の検索推移>
ちなみに先日散歩に訪れた吉祥寺では、「東京都チャレンジショップ」なるお店を発見しました。調べてみるとこのショップは東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社が、開業を目指す人に期間限定で場所を提供することで将来の独立開業のサポートをする取り組みだそうです。井の頭公園に近い好立地の建物の中ではカフェ、雑貨、花屋さんの3つのお店が場所をシェアする形で出店していて、休日の人々で賑わっていました。この取り組みは「飲食だけではない」「時間限定ではなく、期間限定」という点で「軒先レストラン」とは異なりますが、シェアをして開業の夢を叶えるという点では非常に似た取り組みだなと感じました。
働き方改革が進み、会社勤めの人は自分の本業にあてる時間とさまざまな生活とのバランスを求められる分、遊休資産を有意義に使って収入を得ながら自分の昔からの夢を叶える活動をしていくことが今後習慣になっていくかもしれません。
今回ご紹介した「夢を叶える、シェア開業」は食べ物が中心でしたが、この考え方を拡大解釈することで、さまざまなビジネスチャンスが生まれるのではないかと思いました。
自分も短期間ながら海外で働くことで自分の働き方を見直すきっかけになったので、自分の空いた時間を楽しく効果的に使う方法を考えてみたいと思います。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。