こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。
10月も半ばに突入するというのに比較的暖かい日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?いよいよ秋らしい気候になりそうですが、急な気温の変化も予想されますので、みなさんぜひ「秋バテ温活」の準備を万端にしてください。
さて、今回のテーマは「発見の定期便」です。普通、定期便というと、生活に必要な日用品や食品が買いに行かずとも定期的に自宅等に届けてくれる、効率重視なサービスを指すかと思います。ところが最近では、届けられるもののジャンルこそ自分で決めるものの、その範囲内で自分が思いもよらなかったものを定期的に届けてくれる、「発見の定期便」が注目を集めています。
まず、「定期便」をキーワードに見てみます。
定期便の検索はここ数年で増加していることがわかります。インターネットでの通販などが一般的になってきたこともこの傾向を後押ししているのかもしれません。
さらに、「定期便」と投稿している人がどのような言葉とともに投稿しているのかを特にポジティブなワードを中心に拾ってみると、「楽しい」「嬉しい」「新しい」等が上がってきました。どうやら、単純に日用品が機械的に届くだけではなく、定期便が届くこと自体を楽しみにしたり、その内容に何かしらの新しさを感じている様子が浮かび上がってきました。
そこで、具体的にどのような定期便があるのかを調べてみると、「コスメの定期便」「香り(香水)の定期便」「スパイスの定期便」「日本酒の定期便」「花の定期便」などがあることがわかりました。おもしろいのは、いずれも生活必需の日用品というより自分の生活を少し彩ってくれるようなジャンルのものだということです。少し変わりダネの定期便だと、毎月カリフォルニアから現地の洋服や雑貨等、カリフォルニアのライフスタイルを楽しめるものを詰めて送ってくれる素敵な定期便もありました。
実際に周りにこのような定期便をやっている人やネットでのレビューを見てみると、「毎月、どんなものが来るのかなというワクワク感が楽しい」「自分では絶対に選ばないものが届いたりするけど、意外とそれが気に入ることがあって楽しい」「定期便で初めて知った商品を気に入って、それ以降指名買いするようになった」等、届くまでのドキドキを楽しんだり、新しい商品に出会うことを楽しんだり、中には知らない商品をサンプリングするつもりで定期便を活用しているようでした。
また、今っぽい意見だと「もし気に入らないものが届いても、フリマアプリに出せば必ず売れるので気軽にやっている」という人もいて、フリマアプリサービス等の充実で「仮に失敗しても、他に欲しかった人に買ってもらえる」という安心感も、こういった定期便をはじめる後押しになっているのかもしれません。
では、何故今このような「発見の定期便」が人気を集めているのでしょうか?
一つは、「ワクワクと発見への渇望」が挙げられます。最近ではインターネットのレコメンド機能が充実し、自分が興味のある情報が効率的に手に入る時代になりました。ネットショッピングをしていても、自分の購買履歴からオススメが提示されるので、昔のように大きくがっかりしたり、外すことも減ってきました。ただ逆にいうと、どんなものが届くのかがわからないワクワク感や、想定外の発見をする楽しみがだんだんと失われてきているという側面もあるのではないでしょうか。
そう考えてみると定期便とは少し話が異なりますが、サブスクリプション型音楽配信サービスでも、特定のアーティストや楽曲を指名で聞く人ももちろん多くいますが、「雨の日」や「ビーチに行く時に聴きたい曲」等、特定の気持ちやテーマに沿ったプレイリストをかけることで今まで自分が知らなかった音楽と出会うことを楽しんでいる人も多くいます。またある旅行サービスでは、予算や人数等の簡単な質問に答えるだけで旅行プランナーが行き先を提案してくれるだけでなく、宿や移動の予約を全てしてくれる、効率と発見を兼ね揃えたサービスも人気を集めているようです。このように様々な「ワクワクと発見への渇望」を満たすサービスが人気を集めていることも、「発見の定期便」が注目されていることの背景にあると考えられます。
このように、「発見の定期便」が拡がることで、様々なビジネスチャンスが生まれるのではないかと思いました。
気がつけば効率を追い求めルーティーン化してしまっている現代人の生活に、ちょっとしたワクワクをもたらしてくれる「発見の定期便」。ぜひ皆さんの日常にも取り入れてみてください。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。