こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
最近、少しばかり暖かくなってきましたね。気が早いですが、もう夏が恋しくなってきました。早い人だと、夏休みの予定をそろそろ立てたりしているのではないでしょうか。私としては、炎天下の中で、キンキンに冷えたビールが飲みたい。その横には、おいしいおつまみがあれば、とか妄想を膨らましたりしています。
今回のテーマは、そんなビールのおつまみにもなりそうな、「おいシード」。
「おいシード」とは、これまであまり見向きをされてこなかった、作物の“種”が、今、栄養価が高く、注目され、お菓子やおつまみ感覚で食べられるようになってきている、という話です。
なぜ、このテーマを今回のテーマにしようと思ったかというと、昨年末、上海で実務研修を行っていた際に、夜にバーなどに行くと、必ずといっていいほど、「ひまわりの種」がおつまみで出てきていたからです。それまで私は「ひまわりの種」を食べたことがなく、アメリカのプロ野球リーグ、大リーグで選手がベンチで食べているのを見たことがある程度でした。それが、食べてみると、なんともピーナッツのような甘い味わいで、とてもおいしかったのです。それから、少しハマっていました。
また、今回改めて調べてみると、「ひまわりの種」には、リノール酸が含まれており、健康を保つ様々な作用を持っているようです。他にも、ビタミンEや、ビオチン、銅なども入っており、他のナッツ類にも負けない優れた栄養価があるようでした。味はもちろんのこと、栄養価も含めて、上海のバーとかでは、おつまみとして提供されていたのではないでしょうか。
そこで、日本で注目され始めているものが無いか、と調べてみました。
いろいろ調べてみた中で、出てきたのは、「スイカの種」。
ん?スイカの種って、スイカ食べる時に、取り除くやつでしょ?!食べないでしょ?!と思ったのですが、そうではなかったです。実際に、Googleトレンドで「スイカの種」について調べてみると、毎年夏になると注目を集めるのは変わりないのですが、昨年の夏に、最も注目を集めていました。
そこで、実際にどんなふうに使われているのかを見てみると、いくつか方法がありました。1つ目は、天日干し。これは、1~2日、天日干しにして、そのまま食べるようです。その場合は、黒い種の殻は破って、中のものだけ食べるようです。2つ目は、塩で下味をつけて炒める。そうすると、香ばしくなり、おやつ代わりにも、おつまみ代わりにもなるようです。そして、3つ目が、スイカの種茶。スイカの種を煎って、カップに種を入れ熱湯を注ぐ。普通のお茶を作る感じと同じですね。味は、麦茶とかとうもろこし茶に近いらしいです。このように、スイカの種を食べる理由にも、先程のひまわりの種と同じように栄養価が高いことも起因しているようです。
そして、最後に、「かぼちゃの種」。
かぼちゃの種が、皆さんには一番馴染みがありますかね?!フィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子に乗っていたりすることもあるので、食べたことがある方も多いのではないでしょうか。かぼちゃの種は、生薬名として、「南瓜仁(ナンカンニン)」と呼ばれており、体内の寄生虫を排出する効果のある漢方薬として利用されてきましたし、医療先進国であるドイツでは昔から薬のように食べられてきた食材のようです。
かぼちゃの種も、実は煎って殻を剥くだけで食べられ、アンチエイジングや生活習慣病の予防など様々な効果が期待できる優れた食品なのです。
ただ、どの種も栄養価が高く、とても期待できる食品のようですが、食べすぎは、何においてもよくないので、十分に気をつけてくださいね。
では、なぜこのような「おいシード」が広がっているのか、理由を考えてみました。
大きな要因としては、将来的に予測されている、「食物不足の問題」です。その時に、効率的に栄養をとれるものがあるといい、その時に、普段食べているものの延長線上にあり、これまでは捨ててしまっていた“種”が最適なのでは、ということではないでしょうか。また、「実は簡単においしく調理できる」こともその要因の一つかと思います。本日紹介した内容についても、特別なことをしているわけではないので、だれでもトライできそうなことが、広がりを生んでいるのではないでしょうか。今年の夏は、スイカの種やひまわりの種などにより一層注目があつまり、ますますこのような「おいシード」は広がっていくのではないでしょうか。
今年の夏は、キンキンに冷えたビール×スイカの種スナックなど、様々な「おいシード」をおつまみに、楽しむ夏にできればいいな、と妄想が広がってきました。みなさんも一度、「おいシード」にトライしてみてはいかがでしょうか。
2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。