こんにちは。ヒット習慣メーカーズの馬場です。
外出自粛が続く中で、気づけばすっかり穏やかな陽気に包まれる季節になりました。自宅での仕事中にベランダから景色を眺めることが、いい気分転換になっています。
さて、外出自粛の影響で在宅ワークをはじめてから、自宅での仕事環境を整えている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。実際、Googleトレンドで「事務用椅子」の検索数を見てみると、3月末以降急増しており、在宅ワークをはじめて職場と自宅の環境の違いに戸惑っている人が多いことが分かります。そのような中で今回は、単純に設備を整えるだけに留まらず、自宅の間取りに上手く”Working Room=仕事場“を拡充する「LDK+W」という新習慣についてご紹介します。
新たに仕事場を生み出す方法の一つ目は、「ベランダの仕事場化」です。人が一人座る椅子を置くだけであれば、そこまで広いベランダは必要ないため、比較的簡単に仕事場を作り出すことができます。かくいう私も、椅子に加えて、PCを置けるサイズの台がくっついているクッションを購入し、机代わりにすることで環境を充実させています。今なら春の陽気も感じながら作業できるため、個人的にもおすすめの方法です。
二つ目の方法は、リビングなどの広めの部屋を細分化する方法です。当然、新たに壁で区切るわけにはいきませんが、家の中にテントを設置し、仕事や子供の勉強用の区画を作りだしている人がいらっしゃいます。ほかにも、一部の床にだけ色の違うカーペットを敷き、視覚的に差を設ける方法が見られました。家電量販店などで、一部のブランドの売り場だけ専用のカーペットが敷いてあるのと同様に、床を変えるだけで空間ごと、普段と異なる意識を生み出す面白い方法だと思います。
三つ目が、特定の部屋を決まった時間だけ仕事場として扱うといったルールを決める方法です。お子さんのいる家庭の一部では、以前から同様の方法で「がんばる部屋」を作り、子どもに集中して勉強することを促す工夫をしていましたが、そのルールを両親の仕事にも広げて導入しているケースがあります。特に直近は、子どもも自宅にいる中での在宅ワークが増えているため、家庭全体でルール化することが必要となっているようです。
この「LDK+W」が広がる理由は、言うまでもなく在宅ワークをする人が増えているからですが、単に仕事をするうえで快適な環境を整えたいというだけではなく、仕事モードのオンオフを切り替えたいという気持ちがあるのではないかと思います。これまでは、出社することで明確に切り替わっていたスイッチを、自宅に居ながら切り替えるために、あえて明示的に仕事場とそれ以外を区切る必要があるのではないかと思います。さらに、家族同士が在宅ワークをする中で、いま誰が仕事モードなのかを判別できるようにすることは、お互いの仕事を妨げないための思いやりでもあるのではないかと思います。
最後に、「LDK+W」のビジネスチャンスについて考えてみました。
外出自粛がいつまで続くか先行きが不透明なことに加え、今回の出来事を機に在宅ワークが定着する可能性もあるため、自宅での仕事環境の整備はますます進んでいくのではないでしょうか。
2016年 博報堂に入社。
入社以来、データマーケティングに従事。業務で培った知見を活かし、新たな習慣を生み出すべくヒット習慣メーカーズに参画。
在宅ワークで、曜日や時間の感覚が失われつつあることに焦りを感じている。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。