こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
今年も残すところ、あと4ヶ月。少しずつ朝晩が過ごしやすくなってきましたね。昼間はまだまだですが、秋を感じはじめています。私は、寒くなると温泉や銭湯、サウナに行きたくなる性分なのですが、みなさんはいかがでしょうか。今年は、周りとの距離を気にしながらなので、これまで通りに銭湯やサウナに行けなかった、なんて人も多いかと思いますが、サウナやお風呂を愛してやまない人たちは、様々な工夫をして、おうちでも楽しんでいるようです。
さて今回のテーマは、サウナやお風呂を愛してやまない人たちが、おうちで実践されていることを取り上げたいと思います。今回の予報を書くにあたっていろいろと調べてみたのですが、サウナーのみなさんがよく使われる「ととのう」ってやつをなんと、家でもできるようなので、今回は「おうちでととのう」習慣を紹介させていただきます。
まず、「お風呂」について、Googleトレンドで見てみました。すると、波はありますが、ここ数年でより注目を集めているようです。また、季節差でみると、毎年1月が一番注目を集めています。「寒くなったら、お風呂」という意識が私だけでなく、みなさんも一緒のようですね。
では、早速「おうちでととのう」について、ご紹介させていただこうかと思いますが、その前に「ととのう」ってどういうこと?!ということをご説明いたします。医学的にいうと、普通は切り替わるはずの交感神経と副交感神経が共存し、変な感覚を覚える、ことだそうです。なかなかピンと来ないかと思いますが、ものすごくリラックスした状態になり、感覚が鋭くなり、頭がスッキリするようです。まるで瞑想後の状態かのようになるとのこと。さて、少し前置きが長くなりましたが、それでは、「おうちでととのう」ために、みなさんがどのようなことをされているのか、これから少しご紹介させていただきます。
まず、「ととのう」ためには、サウナ→水風呂→外気浴を繰り返すことで到達するということが一般的ですが、家でもこの手法を取り入れられている方がいらっしゃいました。実際には、サウナや水風呂は家にない方が多いので、湯船であたたまる→水シャワー→洗い場で休憩を繰り返しているようです。これを、「交互浴」というらしいです。この繰り返しを通じて、発汗がよくなり、体内の血液の循環が促進され、究極のリラックス状態に導かれるとのこと。この行動がストレスの解消にもなっているようです。また、さらに調べていくと、水シャワーの代わりに、子ども用ビニールプールに水を張って、水風呂にされている方もいらっしゃいました。発想次第で、「おうちでととのう」ことを実現されており、私もやってみたくなりました。
続いては、入浴剤です。銭湯や温泉では自身の好みの入浴剤を使うことはできません。でも、自分の家ならできますよね。その日の気分に合わせて、入浴剤を変えたりして、家ならではのととのい方を楽しまれているようです。このような楽しみ方もできるから、家の方がいい、なんて言う方もいらっしゃいました。また、そこに目をつけて、香りの異なる入浴剤のサブスクモデルを展開しているメーカーなども存在し、今後入浴剤市場はもりあがっていくのではないか、とも考えられます。さらに、自身で入浴剤を作られている方もいらっしゃいました。重曹などを活用して、自身の好みの香りだったり、中から花びらが出てくる目でも楽しめる仕掛けだったり、様々な工夫をして、入浴剤を作られています。そして、なんと言っても、入浴剤の効果効能。普通にお風呂に入っているよりも、血の巡りを促進してくれる効果効能があるので、「おうちでととのう」ためにもってこいのようです。このようなことを知るにつれて、「おうちでととのう」のも悪くないな、むしろ自分なりのととのい方を実現できて楽しそう、とも感じられました。
そして、最後は、サウナに行けないなら、サウナを作ってしまえ、という人たちです。本当に強者だな、「おうちでととのう」の最終形態だなと思いましたが、一人用のサウナを家の庭に作ったり、最近ではテントサウナというものもあったりするので、そこまでコストを掛けなくてもできちゃうようです。(もちろん、光熱費とか維持管理は大変だと思いますが。)私の知り合いの一人が、島根に住んでいるのですが、彼も、海辺の家の庭にサウナを設置しており、とても充実した暮らしを送っているようです。リモートワークが定常化し、今後大都市でなくても働ける環境がより整っていくと、地方に家を構えて、そこにサウナを作っちゃおう!なんて人も増えていくかもしれませんね。
では、なぜこのような「おうちでととのう」が広がっているのか、理由を考えてみました。
最大の要因は、「リセット欲求の高まり」にあると思います。日々多くの情報と向き合い、リモートワークなどで、オンオフの切り替えも難しくなってきている中で、どこかで自分をリセットしたい、そんなときに、お風呂って、実は、一人になれる空間ですし、シャワーだけよりも、じっくり入ることで、リセットできちゃうんじゃないでしょうか。これまでは、温泉や銭湯にいってそれらを実現していたのが、家でできるなんて、良いね!という感じで広がっているように思います。
また、その中で、「自分らしい」方法で、様々な工夫をしながら「ととのう」体験をすることが、日々の楽しみの一つになり、より暮らしを豊かにしているように感じます。ぜひみなさんも、自分流の「おうちでととのう」を模索してみてはいかがでしょうか。
これからどんどん寒くなってきたら、より一層お風呂を楽しみたい季節になってくると思うので、そのときに、また新たな発想で、みなさんがどんな「おうちでととのう」暮らしを実施されるのか、が楽しみですね。今晩は、私も久しぶりにととのってみようかと思います。久しぶりの長風呂。楽しみです。
2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。