●生活者の消費動向を、[消費意欲][デフレ生活]の2種類から分析
●8月は [消費意欲指数=53.3点][デフレ生活指数=64.5点]
2013年8月2日
生活インデックスとは、生活総研が生活者の意識変化を読み解くために、【消費動向】【生活感情】【生活価値観】の3つの領域から開発したオリジナルの指数です。今回の生活インデックスレポートでは、【8月の消費動向】(消費意欲・デフレ生活志向)に関する分析結果についてご報告いたします。
2013年8月は[消費意欲指数=53.3点][デフレ生活指数=64.5点]
■サマリー
消費意欲指数は先月から2.0ポイント伸びて53.3点。昨年の8月は7月に比べ2.2ポイント低下しており、今年は逆の動きとなりました。数値としても昨年同月との比較が可能になった5月以来、はじめて前年比を上回りました(+0.9ポイント)。特に、女性層が昨年に比べて高い数値となっています。
一方、デフレ生活指数は、先月の高い水準が維持されています。過去の推移を見ると、消費意欲指数とデフレ生活指数はほとんど連動しており(消費意欲指数が上昇すれば、デフレ生活指数も上昇する)、今回のように消費意欲指数が上昇する中で、デフレ生活指数が変化しないのは珍しい動きです。消費意欲のみ上昇した背景には、後述する猛暑対策の影響も大きいとみられます。
■2つのポイント
(1)猛暑対策の消費意欲が目立っている
8月には夏休み、お盆、帰省に関連した消費が増えることは今回の調査でも確認できました。昨年と比較して特徴的なのは、猛暑対策の消費意欲が目立っている点で、これが消費意欲指数が前年を上回るひとつの要因であったと想定されます。「特に買いたいモノ・サービス」の中身を見てみると、エアコンなどの家電品は昨年並みですが、カーテン、冷感マットといった暑さをしのぐための商品や、アイス、果物、ビールなど冷たい食品、飲料が増えています。7月頭の梅雨明け後から、猛暑日、熱帯夜が続いたことによる切実な意向がうかがえます。デフレ生活指数が横ばいだったのは、早く猛暑対策をしたい時に、時間をかけて価格の安いものを探してはいられない、ということも影響しているのかもしれません。
(2)セールへの期待が長期化し、女性層(特に女性20代)の消費意欲を高めている
女性の消費意欲指数は全年代で前年を上回っていますが、これを支えたのはセール需要のようです。自由回答を見ると、「服が欲しい」、「セールがある」は7月よりも増えており、セールへの期待の長期化、あるいは最終セール狙いの意識が、8月の伸びにつながっていると考えられます。
特に伸びが大きかったのが女性20代です。前年比6.1ポイント、前月比7.2ポイント伸びて、全性年代中のトップとなりました。7月はやや低調でしたが、8月は牽引層としての本来の姿を取り戻しそうです。デフレ生活指数においても、女性20代は調査開始以来最高値を示しました(ただし、昨年同時期は調査未実施)。自由回答を見ると、「同じものなら安く買いたい」、「バーゲンシーズンだから、セールがあれば利用したい」などの理由が多くあがっており、“いいものを安く買いたい”意識が働くことで、消費意欲指数とデフレ生活指数がともに上昇したとみられます。
■時系列グラフ <全体>
■質問文
Q) 消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(8月)の消費意欲は何点くらいですか。その理由をお答えください。
Q) デフレ生活志向(安くモノを買いたい、安くサービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(8月)のデフレ生活志向は何点くらいですか。その理由をお答えください。
※性年代別・地域別の時系列グラフや、生活者の生の声を、添付のPDFで詳しく紹介しています。
<バックナンバー>
博報堂生活総研「生活インデックスレポート消費動向編7月」
博報堂生活総研「生活インデックスレポート消費動向編6月」
博報堂生活総研「生活インデックスレポート消費動向編5月」
博報堂生活総研「生活インデックスレポート消費動向編4月」