■経済的な暮らし向きが改善し、今後に明るい見通しを持つアジア生活者。特にデリー、ムンバイ、メトロマニラは明るい見通しを持っている。
■お金に対する考え方は、「毎月決まった額を貯金する」と「世の中お金で決まる」が全都市共通。東京では、7割超の生活者が「自分がもらう年金に不安」を抱いている。
■資産形成として何らかの投資を行っているのは、香港、台北、ソウル、ムンバイで6割超。一方、10都市では「特に何もしていない」が5割を超える。投資は大きく「株式」派、「宝石・貴金属」派、「家・土地」派に分かれる。
2013-02‐15 博報堂では、 グローバル市場でのマーケティング戦略に活用するためのオリジナル生活者調査『Global HABIT(グローバルハビット)』を2000年より毎年、アジアと欧米の主要34都市で中・上位収入層を対象に実施しています。最新のGlobal HABIT調査のデータをもとに様々な角度から分析を行い、日本企業がグローバル市場で戦うためのヒントを全10回シリーズでご紹介します。2012年度 調査データをオープンしましたので、今号からは最新2012年データで分析します。 第7回レポートでは、アジア14都市生活者の「暮らし向き・お金に対 する考え方・資産形成」について分析した結果をご報告いたします。
(14都市) 香港、台北、ソウル、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、メトロマニラ、ジャカルタ、ホーチミンシティ、デリー、ムンバイ、北京、上海、広州、 ※参考 東京
1.暮らし向きの状況&見通し
経 済的な暮らし向きの状況や今後の見通しについて5段階評価で聞いたところ、14都市中7都市で暮らし向きが「昨年より良くなった」と感じる生活者が5割を 超え、14都市中13都市で今後の見通しが「良くなる」が5割を超えた。総じてアジア生活者は暮らし向きが改善したと感じ、今後に明るい見通しを持ってい る様子が伺える。特にこの傾向が強いのは、インド2都市(デリーとムンバイ)とメトロマニラ。
一方、東京の生活者は、暮らし向きの状況が「良くなった」は1割程度、今後の見通しが「良くなる」は2割程度と、今回対象となった14都市に比べるとかなり低い結果となっている。
2.お金に対する考え方
お金についてあてはまる考え方などについて聞いたところ、「毎月決まった額を貯金」は北京以外の13都市で1位か2位で、「世の中お金で決まることが多い」は14都市全てでトップ5に入っておりこの2つは全都市共通と言えそうだが、3位以降は都市によって傾向が異なる。
ちなみに、東京の1位は「自分がもらう年金に不安を感じる(75.1%)」で、2位以下を約25%以上引き離す結果に。
ア ジア14都市平均の第1位は「毎月決まった額を貯金(56.7%)」。次いで2位「世の中はすべて金で決まることが多い(39.4%)」、3位「お金は命 の次に大事なもの(37.4%)」、4位「金融商品の良し悪しについて、自分なりに判断できる(32.4%)」、5位「クレジットカードを使うことに抵抗 はない(32.3%)」。
3.資産形成としての投資
資 産形成のために行っていることについて聞いたところ、台北(95.0%)、ムンバイ(72.8%)、香港(70.1%)、ソウル(59.5%)の4都市で は株式や宝石・貴金属などの投資を行っている生活者の割合が高い。一方、それ以外の10都市では「何もやっていない」がほぼ半数を超えているが、高い経済 成長率を背景に、金融商品市場としてのポテンシャルを秘めているといえるだろう。
なお、各都市の投資1位に注目すると3つのグループに大別される結果となった。
・「株式」派:香港、シンガポール、台北、ソウル、上海、北京、広州
・「宝石・貴金属」派:バンコク、ジャカルタ、デリー、ムンバイ
・「家・マンション・建物」「土地」派:クアラルンプール、メトロマニラ、ホーチミンシティ
◆レポートの詳細は下記URLからご覧ください。
【Global HABITレポート Vol.7】14都市調査「暮らしとお金」に対する意識調査
<2012年レポートバックナンバー>
【Global HABITレポート Vol.6】14都市調査からみるアジア女性の美容意識
【Global HABITレポート Vol.5】アジア12都市の50代「若さ志向」比較
【Global HABITレポート Vol.4】世界16都市生活者の「エコカー」に対する関心度
【Global HABITレポート Vol.3】アジア14都市の人気スポーツ
【Global HABITレポート Vol.2】東アジア6都市生活者の日本旅行に対する意識【Global HABITレポート Vol.1】アジア14都市における日本製品イメージ