――まずは、お二人の簡単な自己紹介をお願い致します。
小山
僕は制作・インタラクティブ関連の企業を経て、博報堂に入社して7年目です。アートディレクションが主軸ですが、今の業務はアートディレクションに留まらない領域まで広がっているので、仕事の仕方も変わっていますね。従来はマス広告を中心に2~3カ月単位で完了するプロジェクトが多かったのですが、最近は年単位でじっくり企業・サービスのブランディングに取り組むことが多くなりました。プロダクトの開発をはじめ、IPコンテンツを活用したビジネスの立ち上げに参加することも増えています。
児嶋
僕は2010年に新卒で入社し、5年ほど広告のアートディレクター(AD)を経験した後に今のチームに入ってデジタル領域に携わるようになりました。最近ですとクライアントのPB商品のブランディングをパッケージから広告、デジタルまで統括して担当しています。ほかにもメーカーの新サービスの立ち上げを、シンボルをどう考えるかというサービス規定の部分から関わったりしています。
――ありがとうございます。ではまず、企業のサービスのタッチポイントがオンラインからオフラインまで増え続ける中で、トータルブランディングの在り方についてお二人の立場からご意見を聞かせてください。
小山
オンラインかオフラインかなんて、現代の若者はもう意識していませんよね。みんなSNSを存分に使いこなしているわけで、その上でトータルブランディングをどうするかという視点で考えています。ブランディングの基本は単純に「差別化」なのですが、社会的にはブランディングってすごく難しいものだと思われているんです。「ウチの会社はほかと何が違うのか」、ということを本当はもっとわかりやすくしなければいけないはず。たとえば地方の小さな蔵元が「自分たちの酒をもっと飲んでほしい」と。それを解決するのもブランディングであり、我々がお手伝いできるはずなのです。