藤田:SMK局のリテールDX推進部の藤田です。2022年5月に博報堂に入社しました。それまでリテールメディアのベンチャー企業に、その前は外資のマーケティング企業に勤務していました。過去に培ってきたショッパーマーケティング、リテールメディア事業のキャリアを活かした仕事がしたく、博報堂に転職しました。
澤田:私は、2012年に新卒で博報堂に入社しました。複数の部門を経験しましたが、職種は一貫してストラテジックプラニング職です。キャリア採用者が多いSMK局で、他のメンバーより社歴が長いため、博報堂DYグループのことを比較的理解していることを活かして、貢献したいと思っています。
瀨田:同じくリテールDX推進部の瀨田です。2023年4月に入社しました。前職は印刷会社で店頭ツールや店頭空間のディレクションなど制作周りの業務に携わっていました。店頭へのサイネージ導入などリテールメディアとの関わりもあって現在の業務に至っています。
――まずは、リテールメディアの市場概況について、簡単に教えていただけますか。
藤田:アメリカのウォルマートの成功事例が伝わり、日本の小売り各社も続々と参入しています。背景には電気料金の高騰や原価、物流経費、人件費等のコストが総じて上がり、本業の収益だけで利益を担保することが困難になっているためです。小売業以外の収益を目指してリテールメディアに着目し、利益を確保しようとしている動きが強いです。
澤田:国内では、ドラッグストア、総合スーパー(GMS)、コンビニエンスストアといったプレーヤーが先行して、リテールメディアの開発に取り組んでいます。日本の「リテール市場」の特徴として、米国のウォルマートのような、メガ小売りが上位寡占している市場構造ではなく、多様な小売り業者が事業展開をしている点が挙げられます。そういったこともあり、小売り業単体ではなく、ITベンダーや総合商社、広告会社など、様々なプレーヤーがコラボレーションやアライアンスを組みながらリテールメディアを開発し、市場拡大を目指していくケースも多くなってきましたね。
瀨田:そうですね。一方で、デジタル広告、アプリ、サイネージという各媒体が、個社の小売りごとにそれぞれ開発されているということが多いため、プレーヤーやメディアが乱立しているのが現況です。