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「産休・育休ガイドブック」を通じて、企業の人的資本への共感を生みだす コネヒト×No Company

2023.12.01
2023年3月期決算より、有価証券報告書で「人的資本」に関する情報開示が義務化され、必須項目の一つとなっているのが「男性の育児休業取得率」です。実際に取得する男性の割合は少しずつ増加しているものの、政府が2025年までに目指す50%にはまだ遠い状況です。そのようななか、今年7月にコネヒト株式会社と博報堂グループのNo Companyが業務提携し、「産休・育休ガイドブック」制作と採用ブランディングの支援サービスを開始しました。コネヒト 取締役の伊藤翔さんとNo Company 代表取締役社長の秋山真に、サービス開発の背景や2社ならではの強み、今後目指すことなどについて聞きました。

伊藤 翔 氏
コネヒト株式会社 取締役 Captain

秋山 真
株式会社No Company 代表取締役社長

人的資本経営に足りていないのは「人的資本コミュニケーション」である

――伊藤さんは2017年にコネヒトへ参画後、2019年に技術まわりの責任者であるCTO、2021年にプロダクトまわりの責任者であるCPOに着任され、現在は取締役として企業運営全般をみていらっしゃるそうですね。まずは、コネヒトの事業について教えていただけますか。

伊藤(コネヒト)
コネヒトは「あなたの家族像が実現できる社会をつくる」をビジョンに掲げていて、家族が希望する出生数と実際の出生数の間にあるギャップを埋めていくことをKGIとして掲げています。主力事業は「ママリ」という、妊活、妊娠、出産、子育ての疑問や悩みを解決するコミュニティメディアの運営で、現在はお母さんの3人に1人*が使うサービスに成長しています。もちろん家族の課題はお母さんだけのものではないので、家族の課題をフックに自治体や企業と手を組みながら、家族というテーマに取り組んでいます。

*「ママリ」で2021年内に出産予定と設定したユーザー数と、厚生労働省発表「人口動態統計」の出生数から算出

――今回、その「ママリ」を運営されているコネヒトと、企業の採用マーケティングを支援する No Company が業務提携を締結するにいたった背景を教えてください。

秋山(No Company)
No Company では、「スタイルマッチで組織と人を変えていく」というミッションを掲げ、働く人と企業の価値基準をマッチングし、働く人・企業双方を活性化させていくことを目指しており、「THINK for HR」という独自のSNSデータベースを活用して企業の採用マーケティング・ブランディングを支援しています。2023年3月期決算より有価証券報告書で人的資本の情報開示が義務化されたこともあり、企業は今、働き方に関する企業広報をさらに強化していますが、今年(2023年)1月にこの「THINK for HR」を活用した人的資本経営を促進する採用ブランディングの支援サービスをリリースした際、それを見たコネヒトのご担当の方からお問い合わせをいただいたのが出会いのきっかけでした。

伊藤
以前から、育休取得と仕事や家庭のあり方といったものは切っても切り離せないテーマだと考えていました。コネヒトでは、自治体様や企業様と一緒に男性育休に関する理解の醸成や育休取得支援の一環として、冊子の作成やワークショップの開催をしています。柔軟なコミュニケーションや情報発信は当社の得意とするところではあるのですが、こうした男性の育休取得に対する気運が高まりつつあるなか、育休を取得しやすい環境づくりに向けて、よりインパクトのあるお取り組みができないかと考えていました。そんなときに No Company の人的資本経営の促進にむけた取り組みを拝見し、一緒なら、僕たちが理想とするような取り組みができるのではないかと思ったんです。

秋山
企業の人的資本経営の強化については、一般の人にいかにわかりやすく、正しく伝えることができるかが重要だと考えていました。特に求職者である学生たちは、「人的資本経営って何?」「有価証券報告書って?」という状態だと思うんです。実際に企業側からも、「学生の求職者に対して、どうやったら人的資本経営についてわかりやすく伝えられるだろうか」というご相談をいただいていました。
そこで僕たちは、人的資本経営を開示・証明するだけでなく、求職者や従業員にわかりやすく伝え、企業の価値観やストーリーに共感してもらうこと、すなわち「人的資本コミュニケーション」が今後もっと重要になっていくだろうと確信しました。これを具体的なサービスとして開発できないかと考えていたタイミングで、産休・育休取得促進のための取り組みに知見のあるコネヒトさんとの出会いがあったんです。

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