(写真左から)
ウエルシア薬局株式会社
商品本部 販促企画部 部長
清田 明信氏
株式会社DearOne
プラットフォーム事業本部 ビジネス推進部 セールスユニット ユニットマネージャー
塚田 康太氏
博報堂 ショッパーマーケティング事業局
リテールDX推進グループ担当部長
小島 健嗣
小島
近年、様々な記事でも発信されているように、マーケティングにおける「リテールメディア」の注目度が急速に高まっています。実際に、小売やメーカー、広告会社、テック企業の方々と話をする中でも、その注目度や活用意向の高まりを実感しています。
ウエルシア薬局においてもリテールメディアの活用を推進されていると思いますが、推進されるにあたっての課題などについてお伺いできますでしょうか。
清田
弊社の抱えるリテールメディアも多岐にわたり、自社アプリや店頭のデジタルサイネージに加え、外部のデジタルメディアを活用する広告も存在します。外部メディアは規模が大きく効果は高いですが、そればかりに頼ってしまうとコストがかかるので利益があまり残らないという課題があります。そのため、自社アプリに注力して投資をしないと利益につながらないというのは、多くの小売にとって共通の課題だと思います。
小島
アプリなどのオウンドメディアを軸としながらも、外部メディアもバランスよく活用していくことが重要ということですね。戦略的には清田さんのいらっしゃる販促企画部が中心になってかじ取りをされていると思いますが、社内の他部署も巻き込んでいく必要があるはずです。部署間の温度差のようなものはあるのでしょうか。
清田
当初はやはり温度差はありました。3年前に自社IDであるウエルシアIDを作ったのですが、それまでは共通ポイントのIDを活用していました。しかし共通ポイントだけではデータ利活用の面で自由度が限られることもあり、自社IDの必要性を感じたわけです。
以降は共通ポイントとの共有も模索しながら、ウエルシアIDと結び付けて展開を図っているところです。現在は複数の共通ポイントとも連携して拡大していますが、当初こそ社内の温度感として「なぜウエルシアIDが必要なのか」という疑問の声もありました。しかし、最近では自社IDの必要性がかなり浸透し、リテールメディアや1to1マーケティングの重要性が経営層にも伝わっていますね。
小島
ほかにもリテールメディアの課題点として、出稿する広告主にも偏りがある、継続出稿に繋がりにくいといったお声も多く聞かれますが、ウエルシア薬局ではいかがでしょうか。
清田
その点は弊社も同じです。継続出稿に繋げていくための工夫は必要だと考えています。