「web3に、世界初のサービスを生み出せ。」を掲げた本ハッカソンは、マツダと三菱地所の複数企業が参画し、独自の開発テーマを設定しています。
マツダは“ Drive to Earn, Use for Fun”(ドライブがもっと楽しくなる、世界初のweb3サービスを。)というキャッチフレーズをもとに、web3のテクノロジーを活用したドライバーや同乗者のためのエンタメサービスがテーマとなっています。
一方で三菱地所は“DAO City in Tokyo”(東京駅周辺を最先端のweb3シティへ。)を掲げ、web3のテクノロジーを活用してTOKYO TORCHを舞台に人と人が、有機的に繋がれるサービスの開発がテーマです。
国内外から総勢377名ものエンジニアやクリエイターからのエントリーがあり、プロトタイプの提出数は65チームありました。技術力や創造力などが非常にレベルが高く、1次審査は混戦を極めました。
2023年12月9日には、数ある作品の中から最終審査に選出された15組のチームが、TOKYO TORCH 常盤橋タワーに一堂に集結したピッチイベントが行われました。
本稿では前後編に分けて、web3グローバルハッカソンの最終ピッチの模様をレポートしていきます。
前半は、マツダのハッカソンテーマで1次審査を通過した10組のメンバーによる最終ピッチが実施されました。
【審査員】
・大須賀 学(マツダ株式会社 グローバル販売&マーケティング本部グローバルマーケティング戦略部部長)
・厚井 省吾(マツダ株式会社 MDI&IT本部主査)
・星野 雄一(マツダ株式会社 MDI&IT本部 首席エンジニア)
・高橋 翔太(Bunzz Co-founder/CTO)
・Yuhong Chen(Astar Foundation Head of Japan Business Development)
冒頭では審査員を代表して、大須賀氏がコメントを寄せました。
「9月30日のキックオフイベントでも皆さまにお伝えしましたが、マツダでは『前向きに今日を生きる人の輪を広げる』というパーパスを掲げています。
今回、弊社に対しての提案は10組に厳選させていただきましたが、どの作品も前向きでワクワクするものばかりで、かなり選考には悩みました。我々は“熱量”に感化されやすい会社ですので、ぜひ最終ピッチも楽しみにしています」
ここから10組のエントリーチームによる5分間のピッチが行われました。
旅行先やお出かけ先で小遣い稼ぎができるDApp(分散型アプリケーション)の「MAIZO」。
埋蔵金(MAIZOコイン)が眠っている場所にユーザーが到達すると、コインをランダムに獲得できる仕組みとなっています。また、ユーザー側も任意にコインを埋めることができるため、店舗の集客や広告、町おこしへの応用も想定しているとのこと。
今後は、法的規約やグレーゾーンの解消を試み、持続可能性を捉えたビジネスモデルやトークノミクスの設計を行い、社会実装に向けて取り組んでいくロードマップを示しました。
審査員からは宝探しというコンセプトが面白いとの評価が上がりました。そのほか、ユーザーを呼び込むためのアイデアや、「小遣い稼ぎ」でユーザー参入の動機付けを行いつつ、そこからどうビジネスを広げていくのかといった事業の再現性に関する質問が交わされました。