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インタラクティブコミュニケーション×成果報酬モデルで実現する
新しい広告ソリューションサービス「ADsMINE」(後編)

2024.03.12
博報堂が提供する新しい広告ソリューションサービス「ADsMINE」。
成果報酬型かつインタラクティブなコミュニケーションを武器に、得意先の課題解決をスピーディに実現するこのサービスについて、共同開発にあたったRAB青森放送、株式会社アービング、博報堂の各担当者が、開発の背景や概要、実際の事例、今後の展望などについて語ります。
後編では、ADsMINEの強みや、音声メディアの変らない魅力と今後の可能性、インフルエンサーマーケティングのこれからの形について、事例を交えて紹介します。
(前編はこちら

■音声メディアの変わる“聴かれ方”と変わらない魅力

信川
西澤さんは、ラジオ業界の動向と課題についてどんなことを感じられますか。

西澤
ラジオからテレビ、そしてSNSに動画配信サービスと、近年はシンプルにメディアの選択肢が増えて、ラジオを聴く人、聴くシーンは確実に減っています。その結果広告予算がラジオに割かれなくなってきているというのが実状です。確かにradikoの登場によってラジオコンテンツには触れやすくなっているとは思いますし、コロナ禍でも、ポッドキャストを利用する若者が増えたりラジオを聞きながら仕事をする人が増えたという話もありますが、あいにく広告予算には反映されていない気がしています。

森田
おっしゃるように今は媒体を選定してコンテンツを楽しむというよりも、コンテンツ主体で媒体を選択する時代になりました。ラジオにはまる若者も増えているなかで、まだそれを企業が広告ビジネスとして活かせていない気がしています。というのも、聴取率のような指標文化でラジオを理解することが難しいというのもあるし、広告ビジネスの主な担い手となる年代と、ラジオを聴く若い年代が異なるトライブにいるため、選定されにくくなっているのだと思います。その点、成果報酬型の広告メニューや新しいサービスの形を提供することで、とりあえずトライしてみて成果を出していくという群戦略的な進め方が、ADsMINEでは可能になっています。

鈴木
海外では日本に先行する形で、音声メディアが広がり、外資系の企業が広告予算を出すときには「とりあえずポッドキャストに出そう」というケースが少なくないそうです。数値上でも米国ポッドキャスト広告収益は2022年に約18億ドルとなり、直近2年の成長率はデジタル広告市場全体を上回っています。
日本の場合まだ音声メディアに対する理解、音声メディアの活用が進んでいない状況ですが、逆にいえばこれからのチャンスではあります。

radikoの登場で、そのとき流れてきたものを受動的に聴くというよりも、能動的に聴きたいコンテンツを選んで聴く人が増えました。それによってラジオ特有の濃密なファンコミュニティ性というのは、強化されていっていると思います。実際、先日あるラジオ番組を持つタレントがその番組の公開放送イベントの告知をSNSで行ったところ、チケットが即日完売したこともありました。それくらい、深いファンがそこに集約されていっているということだと思います。それを活用しない手はないですよね。

西澤
おっしゃるとおりですね。ラジオ広告に関しては、そこから派生したイベントという形でよりアグレッシブに展開していくことで、 売り上げを伸ばしているケースも確かにあります。ラジオコンテンツを能動的に楽しむ人が増えたことで、鈴木さんのおっしゃるような“ファンの深化”や若年層化も起きている。僕が個人的に好きなラジオ番組の公開イベントに行った際、2020年冬頃は、自分と同じようなオタクかおじさんばかりだったのですが(笑)、コロナ禍以降、若い女性が非常に増えていました。
やはりコロナ禍の間に好きなラジオコンテンツを能動的に聴くことがより一般的になり、ラジオ関連イベントの熱狂度も増しています。ことラジオに関しては、一定のリーチはありつつもニッチなファンコミュニティを持つメディアではあるので、そこから客単価を上げるなり、LTVを伸ばしていくという作業を今後はやっていく必要があるかと思います。

信川
ポッドキャストの場合、「2023年買ってよかったもの」「ドラマ考察」「アラサー」「キャリア」「美容課金」などの知りたい“関心テーマ”を起点に番組を検索します。これまでのラジオにはなかった現象ですよね。
テーマに沿って多種多様な番組が検索結果として出てくるので、知らなかった番組やタレントとそこで出会い、ファンになったりする。生活者が気になっている何かしらのテーマなりカテゴリーがあるとして、企業が先回りして情報を出していけば必ず触れていくことになるわけです。
その時々の話題のテーマやトレンドと連動させてイベント協賛するといったやり方もきっと有効ですよね。ちなみに、協賛がつきやすいラジオパーソナリティの傾向などはありますか。

西澤
テレビですでに人気の人は、他のポッドキャストやゲスト回でも人気だったりします。あとは、いわゆるお笑いコンビの“じゃない方”と言われるような方がラジオだと活きるというのはよくあります。それから、スポンサーがついた番組はパーソナリティが割とがっつり宣伝するんですが、リスナーとしてはなぜかあまり嫌な気持ちにならないというのもラジオならではかもしれません。「これが売れないと番組を続けられない」などと聴くと、ファンは嬉々として「よし買おう」となる。応援心理が働くようです。

信川
それもラジオならではのユニークな現象ですね!

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