こんにちは。ヒット習慣メーカーズの佐藤諒平です。
いやはや本当暑いですね。私の前までに掲載された執筆担当の方も、これから後しばらくの執筆担当の方も、この時期は暑い暑いと書いているかもしれませんがご容赦ください。書かずにはいられないほど暑いのです。
そんな暑い中ですが、クーラーの利いた自室にばかりいるのも良くないかと思い、先日の休みには友人ととある町にでかけ、昼下がりから夜まで何軒かはしごして食事とお酒を楽しみました。最近は飲みに行くとしても一軒でゆっくりということの方が多かったのですが、こうして一日に違った食とお酒を沢山楽しむのもたまには贅沢で良いなぁと感じました。
そんな時に次のお店を探すために検索していた「2軒目」というワード。その検索数推移を見てみると、コロナ禍で一度下がってはいるものの、全体的には増加している傾向にありました。
気になって色々と調べていると、近年にはお酒だけではない、2軒目や2つ目にはしごする生活者の行動習慣が見えてきました。今回はテーマを「ニューはしご」と題して、その例をご紹介したいと思います。
一つ目は「はしごカフェ」
特に若者の間で多くみられる行動で、休みの日に気になっていたカフェをはしごし、お店ごとに違うメニューや空間を楽しんでいるようです。カフェで提供されている商品は飲み物やデザートなど軽食中心だからこそ、はしごして楽しみやすいのかもしれませんね。実は韓国など外国の若者の間でも似たような行動習慣があるようで、「カフェホッピング」と呼ばれたりしています。
二つ目は「はしご鑑賞」
こちらは、映画などを観に行き、はしごしてもう一作品!と楽しむ行動です。映画に限らず、演劇の鑑賞や、お笑いライブの鑑賞なんかでもはしご鑑賞する方が出てきているようで、その分野のマニアというわけではない方もするようになってきているのが興味深い点です。そんなに長い時間観て疲れないの?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろ長時間没頭できることで充実感を感じる方が多いようです。
三つ目は「はしごトレ」
トレはトレーニングのこと。ピラティスに行った後、筋トレしにジムにも行くなど、はしごしてトレーニングする生活者が現れてきています。特にストイックな方では、鍛えたい部位に応じて専門の器具やトレーナー目当てにまた別のジムにも行くといったはしごの仕方まで!もしもこの記事を読んで自分もはしごトレしよう!と思った方がおりましたら、くれぐれも負荷のかけすぎや、怪我にはお気を付けください…。
ここまで事例をご紹介しましたが、なぜ昨今このような、新しい「はしご」行動をする生活者が増えてきているのでしょうか。
ひとつは、選択肢の多さによるもの。近年、特にコロナ禍以降は仕事以外の過ごし方が注目され、お店やコンテンツの選択肢も多く充実していきました。選択肢が増えたことで、生活者の中に 沢山試したい、とことん楽しみたいという思いが生まれ、はしごするという行動習慣も自然と広がってきたのではないでしょうか。
そして、もうひとつは、現代の情報の得方によるもの。以前執筆させていただきました記事「ヒット習慣予報 vol.309『ローカルレコメン』」の中でも触れましたが、現代はレコメンド機能などによって自分の嗜好に近い情報、一度調べたことの関連情報などが多く集まってくるようになっています。さらに、目にした気になる情報はSNSの機能などで気軽に保存しておくこともできるため、行ってみたいお店やコンテンツのストックが増えやすく、はしごするようになったのではないかと考えます。
最後に、「ニューはしご」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。
この記事を書きながら、私も次の休みには「はしご鑑賞」に挑戦してみようかと考えています。もともと観たいと思っていた作品と、その日会場に行ってから気になった作品、2作品をはしごして…と想像していたら、休みがますます待ち遠しくなってきました。休みに楽しめるよう、まずは目の前の仕事たちに向き合います…!
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
2020年 新潟博報堂に入社。2023年より博報堂にて、一人前のマーケターを目指して修行中。最近初めてシネコンに行き、生演奏BGMの迫力に感動しました。もっとステージに近い席でまた観たいです…。