こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。
まだまだ暑い日が続きますが、暦としては食欲の秋に入り、日々食欲が増している今日この頃です。旬の食材も多いのでついつい買い込んでしまうのですが、結局使いきれずにもったいないことをしてしまったと反省することもあります。
私に限らず、こうした食品ロスを認知し食品ロス削減に取り組む方は7割以上で、多くの人にとって無視できない問題であることがわかります。
〈食品ロス問題を認知し、食品ロス削減に取り組む人の割合〉
中でも、食べられる部分まで捨ててしまっている食品としては、野菜がトップで野菜の使い方にまだまだ改善の余地を感じている人が多いのも事実です。
〈食べられる部分まで捨てている(過剰除去)と感じる食品(N=500)〉
そこで、今回は野菜を無駄にせずに使い切るために昨今注目されているアクションのひとつとして、『切れベジ活用』をご紹介します。
『切れベジ活用』とは、本来なら捨ててしまいがちな野菜の切れ端を、おいしく料理したり、別用途に活用したりする方法です。
具体的には、「リボベジ」があります。
リボベジとは、リボーンベジタブルの略称で、切れ端から野菜を栽培することをいいます。家庭菜園は以前から広く行われていましたが、その中でもリボベジはわざわざ種を購入して育成するのではなく、普段は捨ててしまう野菜の切れ端を活用するため、何か特別な準備や道具をそろえることなく、いつでも始められることが特徴です。例えば、大根やにんじんであれば、ヘタの部分を水を入れたトレーに置いておくだけで葉の部分が伸びる、簡単で手間いらずな栽培です。また、自然を感じられるちょっとしたインテリアにもなるのが嬉しいですね。
他にも、「ベジブロス」があります。
ベジブロスとは、ベジ(野菜)とブロス(だし汁)を組み合わせた言葉で、野菜の切れ端を煮込んで取るだしのことを指します。野菜の切れ端からだしをとることで、野菜のうまみをぎゅっと濃縮した味わいになるだけでなく、溶け出た栄養も丸ごと摂ることができます。。生野菜で食べるよりも無理なく摂取しやすくなるというのも嬉しいポイントです。
最後に、「漬けベジ」です。
これは、ぬか漬けを作るときに、キャベツの外葉や人参・大根の皮や切れ端などの野菜を一緒に漬け込むことを指します。ぬか漬けを作る人の間でこうした野菜は「捨て漬け野菜」と呼ばれ、ぬかの発酵を助け、塩分をまろやかにすることで知られています。(※) 「捨て漬け野菜」はあくまでぬかの発酵を助けることが目的で入れるものなので、最終的には食べずに処分することが一般的ですが、本来であればそのまま捨ててしまっていた部分を活用してぬか漬けをよりおいしくできるのはありがたいですね。
(※参考:京都なり田 京つけもの四季折々 https://www.suguki-narita.com/blog/2020/03/nukzuke.html)
では、なぜ『切れベジ活用』が増えつつあるのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えられます。
1つ目は、野菜価格の高騰です。
近年野菜の価格が高くなっているがゆえに購入した野菜の食べられる部分まで捨ててしまうことをもったいないと感じる人が増えてきているのではないでしょうか。。そんな時に求められるのは野菜をコスパよく無駄なく使う一工夫です。プラスのコストをかけずに野菜を再生産したり、捨てる部分まで料理に活用したりすることは、家計を助けることにもつながると考えられるのでしょう。
2つ目は、エコ意識の向上です。
エコバッグなども日常化し、普段の生活で自然とエコな選択をすることが増えてきました。そんな中、この切れ端の活用は、ゴミの削減とフードロスの削減の双方に役立つものとなっています。野菜は人間が必要とする成分を多く含んでいるので人間の体に優しいのはもちろんですが、切れ端まで活用することで環境にも優しい行動になります。
最後に、『切れベジ活用』のビジネスチャンスとしては下記のようなことが考えられるのではないでしょうか?
執筆者の私自身も目からうろこの活用術ばかりだったので、少しでも野菜不足を感じている方はぜひ取り入れてみてください!
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
2017年 博報堂に入社。
8年目のマーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。芋は野菜なのかという議論もありますが、お気に入りの秋野菜はサツマイモです。