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【博報堂生活総合研究所】サマーセミナー2024 「若者30年変化 Z世代を動かす『母』と『同性』」のオンラインウェビナー開催
―生活総研ウェブサイト内に特設サイトオープン

2024.10.09
博報堂生活総合研究所(以下、生活総研)は、恒例の研究発表イベントとして『サマーセミナー2024 若者30年変化 Z世代を動かす「母」と「同性」』を7月24日(水)に開催いたしました。
今回のサマーセミナーはオンラインウェビナーでの開催となり、企業のマーケティング担当者や経営層、メディア関係者、博報堂社員など、合わせて約2,000名以上が参加しました。
本レポートでは、講演の概略をご紹介いたします。

※詳しい内容や調査データをダウンロードしてご活用いただける公開データは、こちらの博報堂生活総合研究所の「サマーセミナー2024」特設サイトからもご覧いただけます。定量的なデータだけではなく、1970年代から現在にかけての若者のおかれた時代環境の変化や、親子への個別インタビュー、チャットアプリでの日常的なやりとりなど網羅的に調査を行ったものを公開しています。
https://seikatsusoken.jp/youth30/

毎回、長期時系列調査の結果をもとに過去から続く流れを見て、今を読み解こうとする「サマーセミナー」。
これまでは高齢者や子ども、家族などの変化を20年、30年スパンで追ってきましたが、
今回のテーマは、「若者30年変化」です。

はじめに

講演の冒頭では、石寺所長より挨拶と、今回のテーマ「若者30年変化」についての導入がありました。

□いつの時代も若者はホットなテーマであり、なかなか理解できない存在として捉えられがち
□いま現在も、巷では様々な若者に関する言説が飛び交っているが、「若者って昔からそうなんじゃないの?」「それって、若者に限らず、どの年代にも言えるのでは?」という違和感を抱いている人もいるはず
□今回の講演では、その違和感に一石を投じていく試み

Part.1 「若者論」のウソ・ホント

長期時系列データによって検証された、巷に乱れ飛ぶ若者論のウソ・ホントについて酒井上席研究員と加藤研究員より説明しました。

□今回実施した長期時系列調査の対象者
・19~22歳の未婚男女
・1994年調査対象者の30年後にあたる49~52歳

<30年の長期時系列データからみえた3つの若者像>
□若者像①「変わらない」若者像(今も昔も変わらない普遍的な若者の特徴)
□若者像②「だけじゃない」若者像(若者だけじゃない上の年代も含めた今の時代の特徴)

□若者像③「正しくない」若者像(世の言説にみられる正確とは言えない“若者の特徴”)

Part.2  Z世代を動かす「母」と「同性」

30年間の若者の変化として最も大きかったのは、人間関係の変化でした。
長期時系列データと様々な定性調査の結果から、その実態を伊藤上席研究員より説明しました。

□「母」と「同性の友人」が、若者にとって非常に重要な存在になってきている

□Z世代にとっての「母」は…並走したり先回りしてくれる「メンター・ママ」
・背景①進学や仕事の経験が豊富な「できる母」が増えた
・背景②娘/息子共に「母と一緒」に行動する機会が増えた

□Z世代にとっての「同性」は…常に気を遣わずにすむ「ローリスク仲間」
・背景①友人の数を絞り込む中で、負担なく関係を続けやすい同性が「サステナブルな友人」に
・背景②同じ情報ニーズをもった、境遇の近い同性が「情報戦の戦友」に
・背景③ハラスメントを気にせず恥ずかしい姿を見せられる同性が「コンプラ解放区」に

Part.3 企業とZ世代のつきあい方

Part.2でみてきた若者の人間関係の変化を今後のマーケティングにどう活かしていくかについて、再び酒井上席研究員から説明しました。
□消費意識の中でも購買行動の背景にある価値観や欲求はあまり変化しておらず、また、すでに若者の身の回りは様々なものがあふれており、欲求自体が生まれにくくなっている
□「母」と「同性」を若者の消費の着火点に
□選択に自信が持てない時代の中で、企業が生活者の “心理的安全性”を担保することが必要

おわりに

最後に、石寺所長より、ここまでの発表を受けて、これからの若者との付き合い方に関する提言を行いました。

なお、今回の講演はリアルタイム・アンケートにより参加者にも若者に対する様々なご意見をいただきながら、インタラクティブなやりとりを交えて行われました。

講演終了後、来場者からは、

・Z世代の価値観などこれまでの常識が覆される分析が随所にあり、興味深かった。
・先入観で世代論を語ってはいけないと痛感した。次の企画・開発につなげたい。
・Z世代のど真ん中として拝聴しました。まさに自分や周りの友人を見ているようだと感じるほど細かく精度の高い分析でした。
・母と子の繋がりの強まりは、現業でアイディアを考える際に活かせると感じた。
・「母」は何となく認識していたが、「同性」に対する結果と考察はかなり新鮮で驚き。
・商品の魅力を直接ターゲットに向けるのではなく、そのターゲットの母親や同性の友達から伝えてもらうという視点が私にとって新しい気づきで興味深かったです。

などの声をお寄せいただきました。

講演では語りきれなかった内容や、特設サイトのみで紹介している情報も数多くあります。ご興味をお持ちいただいた方は、是非特設サイトもご覧ください。
https://seikatsusoken.jp/youth30/

博報堂生活総合研究所は今後も「若者30年変化」のさらなる探求をはじめ、生活者のきめ細やかな調査研究を通じて、よりよい研究活動を続けてまいります。どうぞご期待ください。

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