
1967年から毎年開催されているCESは、当初の家電ショーからインターネットやデジタル技術の普及とともに領域を拡大。近年ではEVや自動運転などの自動車関連展示や、メタバース、スマートホーム、スマートシティといったテーマでも注目されています。主催者である全米民生技術協会(CTA)のゲイリー・シャピロCEOは「CESはイノベーションを生む場所だ」と定義。生存のために常に変革し続けることの重要性を「Pivot or Die」という言葉で表現しています。
今回の出展社数は約4500社、来場者数は約14.1万人。昨年を上回る規模となり、イノベーションに対する世界的な関心の高さを象徴していました。
今回のCESでは、生成AIが人やモノ・データをつなぐインターフェースとして機能し、企業や商品・サービスの枠を超え、一つながりの心地よい顧客体験へと統合する姿が印象的でした。
「シームレスな顧客体験」ということは従来から理想像としては語られてきましたが、生成AIの急速な浸透により現実のものになってきていることを実感させられました。
昨年のCESのテーマは「ALL ON」。あらゆる商品やサービスにAIが搭載されるようになり、家電、自動車、住宅機器などあらゆる商品やサービスがより知的になっていくことを示していました。今年のテーマは「DIVE IN」。そこには、AIによって知的になった個々の商品やサービスを統合して新たな顧客体験を創造する転換点と捉え、国や業界を超えて積極的に「飛び込み」、自社が提供する価値を変革していくことの重要性を示していました。
CES2025で注目したのは次の三つの大きなトレンドです
1. 現実世界との融合が急速に進化するAI
2. スマートグラスで実現するAIとの人機一体
3. AIによって加速するロボットの進化
以下、それぞれのトピックについて詳細にご紹介します。