広大で寒冷な北海道。冬の暖房使用や車で移動するためのガソリン消費など、一人あたりの消費エネルギーが全国でもっとも高く、道民にとってエネルギーは欠かせない大切なものです。
2015年10月の博報堂エリアHABIT調査(※)では、電力小売り自由化に関心のある人は40.8%と全国平均(45.9%)より低い傾向でした。北海道では灯油も重要なエネルギーのひとつですが、最近の原油安から比較的安価なため、電気代まで目が向きにくいのかもしれません。
しかし、世の中に電力自由化に関する情報があふれる中、今後、電力の購入先を変更する道民は増えると考えられます。では、一体どんな人たちが動きそうなのでしょうか。それを探るために、北海道の電力小売り自由化の関心層について特徴を見てみました。
性別・年齢割合では、男性35歳以上の方の構成比が北海道全体の構成比に比べて多く、男性の高年代がまず動こうとしていると推測されます。そして、やはり自由に選べるなら、電気料金がより安い会社を選択したいという意向が8割近くありました。一方で、内容の理解度は半数以下となっています。但し、こちらは調査時点が2015年10月であるため現在ではより高まっていると思われます。
ところで、北海道の電力小売り自由化関心層が今後「お金をかけたい」と思っているものは何かというと、「旅行」「食生活」「健康や体力の維持」のようです。これらの数字を北海道全体と比べると、「旅行をする」と答えた人は12.2 ポイント、「健康や体力の維持・増進」は7.7 ポイント、また「 食生活を充実させる」と答えた人は7ポイント高い結果でした。また、「文化/芸術を楽しむ」も5.1ポイント高くなっています。
節約やコスト削減が実現した分、自身の趣味や嗜好にお金をかけて、生活を充実させたり、豊かにしていこうというエネルギッシュな人たちが多いのではないかと考えられます。
これからもエネルギーの大消費は変わらないと想定される北海道。でも、その分北海道民のメリハリをつけた消費行動は興味深いと思います。こうした北海道民=「新どさんこ」達が今後増えて行くのではないでしょうか。
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2014年北海道博報堂入社。
コミュニケーション戦略局長兼マーケティング部長 として、
北海道の様々なクライアントの戦略立案やリサーチを担当。