「ブランドたまご(ブラたま)」とは、生まれて間もない、まさにこれから大きく羽ばたこうとしている商品ブランドのこと。中でも、伝統を活かしながら革新を起こしている魅力あふれるブランドに注目し、その担い手に博報堂ブランドデザイン若手メンバーが中心となって話をうかがう連載対談企画です。
私たちブランドデザインは、様々な企業の皆様と一緒に、ブランド=その企業の“らしさ”を起点として、商品やサービスにイノベーションを起こすお手伝いをしています。グローバルやデジタルの激しい変化の中で、様々なブランディングやイノベーションの新たな課題や手法と日々向き合っています。
ところで、日本には海外に比べて100年以上続く老舗企業が多いことで知られています。「企業の寿命は30年」とも言われますが、100年・200年を超える企業が多い日本は本来、「伝統と革新」すなわちイノベーションを得意とする国だとも言う事ができます。しかし、最近のイノベーションの潮流は、アメリカ西海岸を中心とした海外の考え方が多く取り入れられています。もちろん、海外で生まれたイノベーションのフレームや、最新の技術を使った革新的なビジネスモデルには、学ぶ点が数多くあります。一方で、ブランド=その企業“らしさ”を起点としたイノベーションを考える時には、むしろ日本にこそ学ぶ点があるはずではないでしょうか。
そこで本企画では、博報堂ブランドデザインの若手メンバーが中心となって、日本各地にある古くからある素材や商品、技術や産業を活かしながらも、新しい発想でその業界に革新を起こそうとしている新しいブランドの担い手と対話を行います。そして、ブランドの専門家として私たちが得た気付きや発見を、「ブラたま」という連載企画として、世の中に発信していきます。特に、私たち自身がブランドが生まれた現場に足を運び、空気に触れ、その土地ならではの雰囲気を感じる中で、イノベーションが生まれる秘訣を見つけること大切にしています。
もちろん、日本全国すべてのブランドを網羅することはできません。そこで私たちは、日本に古くから伝わる(そして、未来にも残って欲しいと思える)伝統的な商品、産業、素材、技術などを扱っている企業の中でも、最近(約5年を目安に)生まれた新しいブランドを中心に取材を行っています。
私たちブランドデザインは、「ブランドとは、社会にとって有意義な、魅力ある個性=らしさである」と定義した上で、魅力的なブランドには「志・形・属」の3つの要素が必要だと考えています。
「志」とは、ブランドの理念やビジョン、将来像を意味します。「形」とは、ブランドらしさを体現する象徴的な商品やサービスを指します。さらに「属」として、ブランドに共感し、応援しているサポーターや支持するコミュニティにも着目しています。
※博報堂ブランドデザインが考えるブランドについての詳しい話はこちら
取材させていただいたブランドは、いずれもこの3つの要素を持っていますが、その中でも我々が最も注目した要素を1つ選んで、記事の最後に少しだけコメントを掲載しています。ぜひ読者の皆様も、この3つの視点を頭の片隅に置いて頂きながら、インタビュー記事を楽しんで頂ければと思います。
博報堂ブランドデザイン「ブラたま」編集部
編集長 岡田 庄生
顧問 深谷 信介
スタッフリスト
阿部 成美(デスク)
加藤 由佳(デスク)
山田 聰
ボヴェ 啓吾
浅川 清
美田 真知子