梅雨が遂に!明けましたね。
ジリジリとした日差しに汗をかきながら、きたる夏休みのバケーション準備を密かに進めている方も少なくないのではないでしょうか。
今回のコラムでは、今や生活に欠かせない存在になっているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に関する項目をフューチャー。
キャリジョの間での新しいSNSの使われ方についてウォッチします。
特に今回、フォーカスするのは、Instagram。
様々なメディアでも話題になっており、キャリジョ研でも注目しているのですが20-30代女性の間で人気のSNSなんです。
日本でのソーシャルメディアの利用率は、20代女性でなんと、98%。ほとんどの方が利用しているようです。その中でも今回取り上げるInstagram。その20代女性の利用率に注目してみると、20代女性の利用率は68.5%。全年代でみてみると16.3%ですので、特に20代女性の利用率の高い、特徴的なメディアです。(博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所「メディア定点調査2017」より)
様々なメディアでも注目されているこのInstagramでどのようなことがおきているのか。
特に今回は20代に絞込み、20代キャリジョのInstagramユーザーたち、「20代キャリジョインスタユーザー」(ちょっと長いですが)の調査データを分析してみました。
20代キャリジョインスタユーザーの、なんと約8割がフォトジェニック(SNS映えする)な写真を撮りたいと回答。
このフォトジェニックをめぐって様々なトレンドや商品が生まれています。
たとえば、キャリジョ研のInstagram研究で発見した【カラフルビビッド消費】
「フォトジェニック」といわれるアイテムの多くは共通して「カラフル」「ビビットカラー」である・・・ということに着目しました。
夏場のビーチやプールでの記念撮影にポップな小道具として使える、ドーナッツやペガサスの形の「巨大浮き輪」、ド派手なサングラス・・・
おもわず一緒に写真が撮りたくなるキュートなカラフルなアイスクリームやケーキなど・・・
実際に20代キャリジョインスタユーザーへヒアリングしてみると、この「カラフルビビッド消費」、どうやらポイントは「目を引くこと」のようです。
色がビビッドだから、様々な画像が飛び交うSNS上でしっかり「目を引く」ことができます。
「ちょっと大きすぎ!」「派手でしょ!(笑)」というツッコミコメントもゲットしつつとにかくカラフルな彩りが写真映えするから、たくさんのイイネ!獲得が期待できそう!というのが人気の要因だそう。
ほかにも、紙皿やコップ、食材まで「フォトジェニック」にこだわりぬいてピクニックをする「#おしゃピク(おしゃれピクニック)」なんていうのも今、トレンドのようです。
「フォトジェニック消費」まわりにあるのは「カラフルビビッド」消費だけではありません。
たとえば、キャリジョ研内で昨年から注目しているトレンドの一つである、「“ちゃんとした”生活を送り日々充実している」風に見せられる消費、略して【ちゃん充消費】。
ヒアリングによると、最近、真の“リア充”とされるのは、「規則正しくちゃんと日々の暮らしを丁寧に楽しみながら送っている人」・・・とのこと。
これに関連するフォトジェニック消費が「#おうちごはん」というキーワードを中心に、Instagramで流行している「手料理」写真。
食材の彩りや、そもそもの「おいしそう!」感はもちろんのこと、器やランチョンマット、フォークやナイフなどまでこだわりぬいた写真も。食材はせっかくなので季節を味わい尽くすために旬の食材を使ったり。
こちらは単純に「カラフル・派手」でアイキャッチするのではなく、本当に料理雑誌に載っている写真のような、世界観のある画像が多く載せられています。
このトレンドから、デザイン食器やナチュラルテイストのあるカッティングボードに人気が出たり、食材関連でも、最近若い女性の間で「だし」ブームが再来しているそうで、だしを取るところから料理をする女性も増えているとか・・・。
単に写真映えするだけでなく、「料理や家事などを楽しみながら行い丁寧に日々の暮らしを営んでいる」そんな印象が写真から浮かんでくる写真作りがトレンドのようです。
では、このフォトジェニック消費、なぜ起きているのでしょうか?
いまキャリジョにとって「写真」がどういう存在なのかをみてみましょう。
こんなデータがあります。
こちら、20代キャリジョインスタユーザーに限らず高いスコアではあるのですが・・・どうやら、今や人のセンスは、写真の撮り方でも測られてしまうようです。
様々なスマートフォンの画像加工・編集アプリが生まれ、少し一工夫をすれば簡単になかなかオシャレな写真が撮影できる時代になりました。同じ被写体でもアプリの編集次第で、自分好みの「雰囲気」「世界観」を作ることもできるように。
また、Instagramをはじめとした、写真や動画系SNSが普及し、友人や職場の人、はたまた知らない人まで様々な人の日常を文字だけではなく実際に写真や動画で追うことの多いこの時代。
写真が様々なひとの「自分好みの世界観」の象徴の一つになっており、おのおのの持つ「センス」を写真で見ているのかもしれませんね。
そしてこんなデータもあります。
なんと、20代キャリジョインスタユーザーのうち、約半数もの人が「自分がどうみられるか」を意識した投稿をしている、あるいはしたいと考えているようです。
Instagramが普及したことにより友人の日々の暮らしを「写真」で追うことが主流に。
まるで“会っていないのに、頻繁に会っているよう”に感じるくらいに、その人が「普段何をしているのか」を目で見て、知ることができます。いまや写真は、普段何をしている?どんなセンスの持ち主?ということを知る情報源となっているのではないしょうか。極端にいえばもはやInstagramなどのSNSで投稿される写真が「その人がどんなひとか」を判断する材料の一つになっている・・・ともいえるのかもしれません。
判断材料となりうるからこそ、自分がどうみられるのかを意識した「自己プロデュース」をしながら写真を投稿する傾向があるのではないでしょうか。その中で、より自分が思い描く自分を表現できる、フォトジェニック消費が盛り上がっているのかもしれません。
最後にもう一つ、このデータをご覧ください。
「20代キャリジョインスタユーザー」のな、なんと約半数が、「SNSによって自分の生活が変化した」(!!)と思っているそう。
「センスのバロメータ」や「どうみられたいかを意識した自己ブランディングツール」であるInstagram。
自分の好きな世界観を突き詰めたり、自分なりの“自己プロデュース”をしてみたりするなかで洋服やメイクなど日々の買い物での「何を買うか」だったり、休日に「何をするか」を選ぶものさしの一つに「自分の好きな世界観」や自分らしさを実現させるために有用かどうか、が入ってきているのではないかと考えています。
ある意味、自分の人生や自分を見つめ直したり、自分の好きなことや自分らしさに向き合うきっかけをくれる。そんな意味で「自分の生活を変えてくれる」メディア、でもあるのかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか?
20代キャリジョで大人気のSNS。
フォトジェニック最盛期(?)ともいわれる夏に、キャリジョも、そうでない方もフォトジェニックな写真を求めて街へ繰り出してみませんか?
2013年博報堂に入社。4年間営業職に従事したのち、2016年ストラテジックプラニング職に。自動車や家電などの耐久財から、化粧品・食品などの消費財まで、国内/グローバルの業務を幅広く担当。趣味はインド映画鑑賞。
★バックナンバー★
働く女子のホンネ vol.1 / OLの終焉?!
働く女子のホンネ vol.2 /世代論
働く女子のホンネ vol.3 / クロスジェネレーション女子会