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ヒット習慣予報 vol.20 『朝のちょこちょこ掃除』

2018.04.17
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。
ヒット習慣予報もいよいよ20回目を迎えました。記事を書き続けるのはなかなかハードですが、日々ヒット習慣のタネを探していると世の中の動きが見えてきてなかなか面白いな。と、自分に言い聞かせて、これからもみなさんにいろんなヒントを提供していこうと思います。

さて、今回のテーマは「朝のちょこちょこ掃除」です。
発信力の高いメディアを見ていると、時間をかけて一気に掃除をするのではなく、隙間時間を活用して「ちょこちょこ掃除」をすることについて取り上げている記事が多く見られるようになりました。軽く掃除機をかけたり、水回りを利用した後にサラッと拭き掃除をしたり、一日一箇所と決めて日々順番にこなしていったり。そんな「ちょこちょこ掃除」は、とりわけ、一日のはじまりである朝に行う人が多いようです。

ではなぜ、「朝のちょこちょこ掃除」が増えているのでしょうか。

まず考えられるのが、コードレススティック掃除機の普及です。

ご存知の通りコードレススティック掃除機は今、非常に売れています。我が家も購入したのですが、とにかく掃除をすることが楽になりますし、準備や後片付けも楽なので、大きく時間が短縮されます。コードがなくなるだけでこれだけやりやすくなるものかと驚きました。楽になることで掃除機をかけるハードルが下がり、自然とかける回数が増えていくようです。また、掃除をした際に取れたホコリが実際に見える構造になっているので、それも続けるモチベーションになっていそうです。

因みに、「コードレス掃除機」「スティック掃除機」でそれぞれ、どのような内容の投稿がされているのかをみるために、共起語(「コードレス掃除機」「スティック掃除機」とともにどのような単語がTwitterで投稿されているか)を調べてみました。

「コードレス掃除機」「スティック掃除機」の主な共起語 ※TopicFinder

機能についてのつぶやきに次いで、「楽だ」「楽しい」「便利」「最高」などという言葉が多く出現していることがわかります。

「旦那」という言葉もあがっていますが、これは「普段掃除をしない旦那さんが掃除をするようになった」という内容でした(笑)
腰が重い人を動かすとは、すごいことですね。

また、「朝のちょこちょこ掃除」は、気持ちをリフレッシュする効果があるようです。
実際に実践している人に聞いてみると「朝にすがすがしい気持ちになれる」「ストレス発散になる」「頭の整理になる」などの声があがりました。「いいことがありそう」「達成感がある」「土日を有意義に過ごせる」など気持ちを前向きにして、活動的になる効果もありそうですね。
ちなみに余談ですが、禅の教えに「一掃除二信心」という言葉があり、お寺のお坊さんにとって朝起きてすぐにやる掃除は、もっとも大事な修行なのだとか。掃除をすることで目に見えるほこりだけでなく、心の塵も落とすようです。

さらに、運動不足の解消のために実践している人もいるようです。
「やっているうちに運動も兼ねることに気がついた」とか「ちょっとした軽い運動になる」などの意見も多く、運動しているという気持ちを持つことで、より習慣化につながりやすいかもしれませんね。

いつも家を綺麗に保てて、心もリフレッシュする上に、継続的な運動になる。そんないいところばかりの「朝のちょこちょこ掃除」は今後も増えていくことが予想され、ビジネスチャンスにあふれているのではないでしょうか。

「朝のちょこちょこ掃除」のビジネスチャンスの例
■朝のちょこちょこ掃除に用途を絞った手軽にできる新しい掃除用品の開発。
■掃除をした記録をして日々の達成感を増す、ちょこちょこ掃除アプリの開発。
■朝のちょこちょこ掃除でエクササイズできるスポーツ用品の開発。
など。

いつも、朝ぎりぎりまで寝ていて、バタバタと慌てて家を出る私ですが、朝のちょこちょこ掃除を導入して、いまよりも少しだけ気持ちに余裕のある日々を送りたいものです。

中川悠(なかがわ・ゆう)
統合プラニング局チームリーダー
ヒット習慣メーカーズ リーダー

メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
マーケティング職として、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。飲みながらいろんな業界の人と話をするのが好きだが、気づくとお酒に飲まれている。好きな落語家は五街道雲助師匠。

▼「ヒット習慣予報」とは?

モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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