こんにちは。ヒット習慣メーカーズの神山です。
今年度からヒット習慣メーカーズに参加し、本稿が初めての担当コラムとなります。
女性メンバーとして、ファッションや美容などの視点でも予報していければと思います。
さて、今回のテーマは「診断ドリブンファッション」です。
突然ですが、皆さんはどのように買う洋服を決めていますか?
「何も参考にせずショップに直行し、試着して自分に似合ったものを買う」という方もいらっしゃると思います。
一方、雑誌を参考にしたり、オシャレなモデルの写真をみてこうなりたい!と同じものを買ったり・・・という方も多いのでは?私も試着はするものの、雑誌で紹介されているトレンドを参考にしたりして、指名買いしにいくことがありました。
しかし、残念ながら、後々になって「あれ?コレあんまり似合わなくない?」と気がつくことも。なんだか顔色が悪く見えたり、スタイル悪く見えたり。別の色にしておけばよかったな~と後悔したり。おそらく「その服は本当に自分の顔立ちやスタイルが良く見せるのか?」という視点が薄かったからでしょう。
そこで、女性の間では、服やコスメを選ぶ「新しい基準」が広まってきています。
代表例が「パーソナルカラー」です。
女性であれば、SNSや雑誌で「イエベ春」「ブルベ冬」などの言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。・・・これらは、パーソナルカラーの診断結果です。
パーソナルカラーとは、肌の色・瞳の色によって生まれ持った「似合う色」のこと。「似合う色」を身につけると顔色がよくなり、活き活きとした表情に見え、「似合わない色」を身につけると顔色が悪く、元気がなく疲れた印象に見えてしまうのです。カラーアナリストによる正確なパーソナルカラー診断もありますが、診断サイトや雑誌の紙面などでセルフ診断することも可能です。(質問例:瞳の黒と白のコントラストがハッキリしているか)
実際、「パーソナルカラー診断」という言葉の検索数も過去3年で約4倍になりました。
同様に、骨格に合わせて似合う服などを選ぶ「骨格診断」もここ3年で普及しました。
検索数も過去3年で約4倍です。
実は色もさることながら服選びの基準で重要なのは、太ってもやせても変わらない「骨格」なのだそうです。女性の骨格は、「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」に分けられるとのこと。診断を受けると、服のデザインだけではなく、柄や素材まで骨格別に似合うものがわかります。
ちなみに私は、パーソナルカラーは「イエベ春」・骨格は「ウェーブ」でした。(セルフ診断ですが)
また、最近話題となった、自分の体を計測できるボディスーツとその計測結果を使ってぴったりな服を買えるECサービスも、ある種の「診断ドリブンファッション」と言えるのではないでしょうか。
では、なぜこれらの診断習慣がここまで広がりをみせているのでしょうか。
仮説となりますが、1つ目の要因は、“ファッションにおける協調性からの解放”です。
これまでは流行に合わせて多少似合わなくても着ておこう…という意識が、割と多くの日本人にあったかと思います。それが、SNSの登場で1人1人がメディアとなり、いかに他人と差別化するか=自分ブランドを確立するか?が時代のテーマとなりました。結果、ファッションも自分軸で選ぶようになったのだと考えられます。
・・・とはいえ、そもそも自分にはどんな色や形が似合うのか?深く考えられてきた人が少なかったので、診断をベースに自分と向き合い、まずは「こういう色が似合う」「こういう色は似合わない」と知ったうえで、MYスタイルを作っていきたいというニーズが生まれたのではないでしょうか。
2つ目の要因は、“時短ニーズ”です。
これは、女性の社会進出などの変化に伴い、忙しさの中で“時間の効率化”を考えるようになった結果、「どんな服着よう?と考える時間も時短しよう」という発想になったのではないか?という仮説です。診断があれば、ショップで試着したい服がいくつかあった時、これは似合うかな?似合わないかな~?と考えを巡らせる必要がないのです。この色は私のカラーではないからこちらは試着しないでおこう!と即断することができます。また、試着できないECでも、ある程度確度の高い買い物が可能になります。
最後に、今後のビジネスチャンスを考えてみました。
私は、これからは自分を美しく見せる色や形のものを選べるようになれると良いなと考えています。
そして、診断を元にして服着ると本当に見違えるので、男女問わず一度診断してみてくださいね。
WEB業界を経て2016年 博報堂に入社。
現在は主にプロモーションプラニング業務に従事。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。