【動画生活者分析】
最初に、私たちが通常実施している調査結果の分析方法「動画生活者分析」をご紹介します。
本調査は、朝起きてから就寝までの時刻(平日/休日5:00~25:00)を横軸に置き、対象者が1日のうち、どの時間帯
に「web動画」「リアルタイムTV」「タイムシフトTV」(3大動画メディア)に 接触するのか、1時間ごとの詳細な視聴状況を記録するものです。
上記3タイプの生活者の1日の動画接触状況を明らかにし、それぞれがどのような動画生活者であるのか、見ていきましょう。
・ 6-8時は圧倒的にリアルタイムTV視聴。通勤前のあわただしい準備の中で、テレビを時計がわりにつけっぱなしにしている情景が浮かびます。
・ 8時以降17時までは総じて動画接触は少ないのですが、12-13時だけはweb動画視聴が上昇。ランチタイムにweb動画をながら視聴する層が一定数いることがわかります。
・ 帰宅する人が出始める17時ごろから、動画視聴者は総じて増加傾向を示し、そこから深夜に至るまで、最大の動画メディアはweb動画です。
・7-11時はリアルタイムTV視聴が多くなされています。 休日朝の時間帯には、自宅でくつろぎながらテレビを観ているのがわかります。
・しかし11時~12時の時間帯には、web動画が逆転し、夕方まで高い視聴が続きます。18-22時、リアルタイムTV視聴が再び増加しますが、1日の平均値ではweb動画がリアルタイムテレビを上回りました。
「動画生活者分析」に、「動画の内容」をかけあわせ、「男性若手サラリーマン」の1day動画ジャーニーを作成しました。
●出勤前はテレビ、それ以外は圧倒的なweb動画ウォッチャー
ON/OFF切り替えなのか?⇒平日はスポーツ観戦/休日にはアニメを楽しむ
「男性サラリーマン若手」は、リアルタイムテレビ<web動画 という時間が非常に多くなっていますが、web動画の「内容(ジャンル)」に踏み込むと、以下の特徴が見えてきます。
・平日は、ランチタイムおよび21時以降~就寝前共に「スポーツ動画」が強く、就寝前には音楽動画でリラックスしている。
・休日はランチタイムおよび21時以降~就寝に「アニメ動画」が1位を獲得
微差ですが、平日はスポーツ、休日はアニメが上位にあがってきます。スポーツ動画は平日のスキマ時間で観ることができますが、「アニメ」を観るにはある程度の時間が必要な為、休日にゆっくり観ているのではないか?との仮説が立ちます。
とすると、平日に動画広告を観てもらうなら短尺動画で、何らか「スポーツ」が要素に入っているとより観てくれそうだと言えます。普段はスポーツ好きの面を出す一方、休日は楽しみとしてアニメを観るのかもしれません。
同様に、「働く育児ママ」の1day動画ジャーニーも作成しました。「女性勤め人で同居家族に子がいて末子年齢が4歳以下」です。子供を保育園に預けて働きに出るママの姿が想像されます。
●「働く育児ママ」は、複数のメディアを時間帯、内容によって使い分け
「働く育児ママ」の動画視聴実態からは「仕事と育児でいっぱいいっぱい」といった印象は受けず、
YouTubeやTVerやFacebookやLINEなど、多彩なweb動画サービスを使い分けていることが特徴です。
仕事も育児も頑張っている女性だからこそ興味範囲も広く、自分が見たい動画がいちばんスムーズに見られるサービスを知っているのかもしれません。
・平日朝のリアルタイムTVは自分のための情報収集
・平日ランチ時は会社やレストランのテレビで芸能ニュースを同僚と楽しむ
・就寝前はweb動画。「TVer」で音楽番組や連続ドラマをじっくり楽しむ。
・休日日中はYouTubeの他に、Facebookでも動画を見る。好きな音楽やドラマの情報を探していそう。
・休日就寝前も日中同様、音楽・ドラマをYouTubeで観る他、LINEも登場。お気に入りのアーティストの公式アカウントをチェックしている可能性もある。
ママでもう一タイプ。 「育児」から「子育て」へとフェーズが変わる「末子年齢3-10歳女性」を、「子育てママ」と定義し、一日の流れを追ってみました。
前頁の「働く育児ママ」より、年齢層が多少高くなります。
●子どもが“赤ちゃん”を脱する「子育てママ」は、Instagramの利用率が上昇する。子どもの活動範囲が広がり、誰かと共有したい願望も広がってくる頃なのかも。
「子育てママ」になると、利用しているweb動画サービスとしてInstagramが上がってきます。若年層からの支持が高いと思われがちなメディアなので、意外に感じた方も多いかもしれません。
赤ちゃんを卒業し、活動範囲が広がった子育て生活を共有したいという気持ちからでしょうか?
動画サービスのユーザー属性は日に日に変化しています。あのサービスは若年女性にしか刺さらない、といった思い込みは禁物で、最新データを追うことが重要です。
・平日朝は夫や子供を送り出す準備をしながらリアルタイムTV。
・平日昼間は「音楽」と「料理・レシピ」が拮抗。夕飯の献立の参考か?
・平日でも就寝前は自分時間。「音楽」や「お笑い・バラエティ」が増える。
・一方、休日の就寝前には、「料理・レシピ」のweb動画にも時間をとることから、週末のための家族食事のプランを立てている可能性がある。
以上、「動画生活者®調査」をベースにした「動画生活者®分析」を通して、私たちは単純な事実を
発見します。
それは、生活者はたとえテレビが視聴できない状態にいても、その手元にはスマートフォンという動画媒体があり、「スマホを持つ生活者は、いつでも動画を見ることができる」ということです。観たいものがあれば、知りたい情報があれば、その時に適合するスタイルで数種類の動画を渡り歩いているのです。
私たちが動画を統合的に捉えたソリューションを開発しなければならない、という思いに至った理由はここにあります。
そしてもうひとつ、どんなジャンルの動画を見ているか?を紐解いていくと、生活者の動画接触分析の解像度が高まったようにお感じになりませんか?
「深夜、ママはYouTubeをスマートフォンで観ていた」だけは、メディアプランを作成することはできても、クリエイティブプランを創ることができません。先ほどご紹介した「子育てママ」が休日深夜に、エンタメと同じくらい「料理・レシピ」を観ている、という発見はその典型例のひとつです。
あたりまえですが、その人が観たいものを、観たいたいときに、観たい場所(メディア)で伝えること。
-これが動画生活者®発想に基づく動画統合ソリューションのひとつの方法なのです。
hakuhodo.movieでは、他にも様々な条件をクロスし、より深い動画生活者洞察を浮き彫りにし、
個々の得意先企業様のニーズに合致した課題解決法をご提供することが可能です。
「動画」というアウトプットから考える統合コミュニケーション、ぜひ、私たちにお任せください!