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ヒット習慣予報 vol.46 『脱・ジェンダー消費』

2018.10.30
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

先日、アルコールパッチテストを初めて受けました。私は、「お酒に弱い」体質でした。まぁ、お酒を飲むと寝てしまうことが多く、たくさんの人に迷惑をかけてきているので、自覚はあったのですが、これから年末に向けて、忘年会なども増えていくので、気をつけて楽しみたく思っております。

さて、今回のテーマは、「脱・ジェンダー消費」です。
私の周りを見渡すと、いかんせん「呑んべえ女子」が多いです。私の母が酒豪(最近は、めっきり弱くなったみたいですが)だったせいもあってか、そのような友人・知人が多いです。特に、ビールを楽しそうに美味しそうに飲んでいる姿は、見ていて気持ちがいいものです。

ちなみに、女性が好きなお酒類は以下の通りで、ビールが好きな女性が多いようです。

出典)博報堂生活総研「生活定点」調査2018より

横丁居酒屋に行く女性も増えていますし、私の友人たちも、「呑んべえ三姉妹」として、毎日を謳歌しているだとか聞いたりもします。完全に私よりも、お酒が強く楽しんでおり、昔の男性の方がお酒が強い、というイメージは完全に覆っていますね。

それ以外にも、昔は入りづらいとされた、ファストフードや立ち食いステーキ、ラーメンなどの店で、一人で美味しそうに食べる女性がいたりするなど、ますます、男はこうあるべき、女はこうあるべき、といった概念がなくなり、男女差が減り、「脱・ジェンダー消費」が進んでいるな、と感じています。

他にも、この夏、男性が日傘をさしている姿をちらほら見かけたりしました。日傘といえば、女性のものだと思っていたので、とてもびっくりさせられました。昨今、“殺人猛暑”と呼ばれる異常な暑さが続いており、他人からの視線よりも、涼しさを優先したり、美肌のためだったり、など様々な理由で取り入れられているようですが、自分にとっての快適さ、を求めた賢い選択の結果なのでしょうか。

また、ネイル男子も増えてきているそう。ビジネスマナーの一環として、手先をきれいにするために、甘皮処理したり、磨いたり。さらには、ファッションの一環として、さり気なくワンポイント入れたり、ネイルアートまで楽しむ人もいたりするよう。男性の美意識が高まる中で、自分自身の身だしなみの一環として、取り入れる人が多いようですので、これから、シワのない服を着て、髪の毛をセットして、ひげを整えるなどの日々のエチケットの一つとして、ネイルケア・ネイルアートも男性に取り入れられていくかもしれませんね。

このように、「脱・ジェンダー消費」が増えてきている理由が大きく2つあると思われます。
1つ目は、「実利主義」にあると思います。ビールを飲みたい、ラーメンを食べたい、暑いのは嫌だ、エチケットの一つとしてのネイル、などのように、自分にとっての利益や効果があるものを取り入れるようになったことで、これまでは、男性のもの、女性のもの、と思われていたものが、男女ともに活用されるようになり、流動化してきていると思われます。
また、2つ目は、「自分らしさの追求」にもあると思います。個としてどうあるのか、がより問われるようになってきていると感じます。その際に、自分らしさとはなにか、自分の個性ってなにか、を追い求めた結果の行き着く先が「脱・ジェンダー消費」なのかもしれません。これからのマーケティング活動においても、性別で物事を考える時代はそろそろ終わるのかもしれませんね。

このような「脱・ジェンダー消費」は、今後、様々な分野にビジネスチャンスがあると考えます。

◎「脱・ジェンダー消費」によるビジネスチャンスの例
■メンズやレディスという概念を取り払った、
ジェンダーという概念にとらわれない「アパレルブランド」の展開。
■男性も女性も使える「ジェンダー横断型の化粧品」の販売。
■出会いも自由に「ジェンダーを問わないマッチングアプリ」のサービス開始
など

「自分らしさ」。これからの人生の中で、ますます問われるようになってくると日々感じていますが、私の「自分らしさ」が何なのか?って意外とわからなかったりします。自身の内的動機に加え、自分が置かれた外部環境の影響も受けながら、いろいろ模索し、勇気を持って踏み出していくことが大事なんだろうな、と感じております。

楠田勇輝(くすだ・ゆうき)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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