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ヒット習慣予報 vol.77 『パパママのおまかせ消費』

2019.06.25
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの宇平です。

働きながらわんぱく2歳の男の子を育てておりまして、己の限界に挑む日々です。
お迎えシフトに宅配の手配に、洗濯ローテに仕事にと、脳のキャパがいっぱいいっぱい。
世のパパママ、働いていても主婦でもすごすぎます・・・皆を表彰したい・・・!

というわけで、今回のテーマは、「パパママのおまかせ消費」です。
子育ては肉体労働であり頭脳労働。パパママはお仕事に行かなきゃいけないから朝ごはん食べようね、なんて言い聞かせても、「らめ!(だめ)いかないの!」。片手でごはんを用意しながら、どう説得するか、どうご機嫌を取るか、頭も働かせなければいけません。常に頭も体もフル回転。調査でも、子育て中ママの8割以上が「普段忙しい」と答えていますし、「なるべく時短で効率的にしたい」ママは9割を超えています。

ママスタジアムユーザー(子育て中の女性) n=396 名 こそだて家族研究所
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2017/04/20170418.pdf

忙しいパパママの頭に浮かぶことは誰しも一緒なようです。必要以上に頭を使いたくない!誰か代わりに献立とか食材とか家事とか考えてほしい!なんなら24時間住み込みのメイドさんほしい・・・!そうもいかないので試行錯誤した結果、パパママがたどり着くのは「考えるプロセスが一番めんどくさいから、そこをおまかせしちゃえ」という結論。世の中を見渡してみると、考えるプロセスをおまかせしたいパパママ向けの商品/サービスがたくさん出てきているのです。

たとえば、「冷凍ミールキット」や、自分の作り置きを上手に冷凍できるワザの登場。冷蔵のミールキットも受け入れられ始めて日も浅いですが、実は賞味期限が短くてプレッシャーにもなります。1ヶ月程度もってくれる冷凍ミールキットや作り置きが冷凍庫に入っていると、スーパーに行けなくても食べるものがとりあえずある安心感よ・・・忙しいパパママの「献立も賞味期限も考えたくない」ニーズにぴったりなんです。これは手抜きじゃない、効率化なんだ!Googleトレンドでも「冷凍」の検索数が継続的に増加、冷凍食品の市場も拡大しているようです。

Google trend 2014/1/1~2019/6/24 「冷凍」検索数

また、「食事の定型化」も、「考えることをルールにおまかせする」大きな潮流として見られます。女性誌で最近よく見られるのが、「曜日ごとにざっくり献立を決めてしまう」提案。例えば土日にまとめ買いして、月曜は日持ちの悪い魚、火曜は肉、水曜は麺類、木曜は煮物系、金曜は残り物か冷凍もの、とふんわり決めておけば、悩む時間も手間も省けますね。私も実践していますが、栄養バランスも週単位で良くなる気がするし、一石二鳥♪と思っています。

ママ側の話になりますが、ママ雑誌では「コーデのルーティン化」も大きな流れ。これは、「過去の自分に考えることをおまかせする」動きですね。「着回しがきくのはどれか」という基準で服を選んでいた方も、ママになると朝は戦争。「どれとどれが合うかな」と考えている時間がなくなってしまうのです。着回しは考えず、「AにはBを合わせる」と決めてしまったコーデを5パターン用意しておけば、子供が「まんま~」と泣いていても、一瞬で着られますよね。最近ではオンラインで自分に合うコーデを提案し送ってくれるサービスも。友人がこれを使っていましたが、「服のセンスの責任を他人が持ってくれる感じが楽」と言っていました。

「パパママのおまかせ消費」の流れは、なぜ起きているのでしょうか。共働き家庭が増えていることもあると思いますが、「頑張ること、我慢することが偉い」という価値観が、だんだん「手間や時間を減らしてそれぞれが楽しいと感じられる時間を増やす方が大事」にシフトしていることも背景にあるのではないかと考えます。

今回ご紹介した「パパママのおまかせ消費」の流れは、今後ますます広がっていくことが予想され、様々なビジネスチャンスの可能性があると考えます。

◎「パパママのおまかせ消費」によるビジネスチャンスの例
・手持ちの自分や家族の服や小物を登録すると、次シーズンに買い足すべきものが提案される
・家族の人数と年齢や健康状態、食の好みを登録すると、毎日の献立が提案される
・ウェブ上のアクティビティログや本人の好みを登録すると、次に家族で行くのによさそうな場所が提案される
など。

家族でお出かけすることを大事にしたい人は食材は宅配にして時間を節約してみる、料理が楽しい人はじっくり作る過程を楽しむために掃除はロボットに任せる、等、それぞれ自分に一番合うおまかせ方法を見つけられるとよいですね。

宇平知紗(うひら・ちさ)
第3プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2009年から博報堂のストプラ。女性の肩の荷を下ろし、もっと生きやすい社会になればと日々奮闘中。日本のロックとアイドルが好き。息子のブームは電車とオクラ。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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