こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。
ついに先週、緊急事態宣言が全国にまで拡大されましたね。本格的な自粛が日本全国に広がり、日々の生活や働き方、人とのつながり等、今まで当たり前だったありとあらゆる習慣が見直されつつあります。
個人的には東京都の緊急事態宣言を受けて原則出社禁止になり在宅ワークに切り替わったこと。そして、自分が毎週通っていたジムがお休みになったことが毎日の生活習慣に大きな影響を与えています。
でも今回のコラムは、「在宅ワークになって色々大変だ!」とか、「ジムが閉まって運動できなくなった!辛い!」とかそんなネガティブなことを言いたいんじゃないんです。
むしろ、自分自身や自分の周りで「在宅ワークになったことで、仕事の合間をうまく使ってむしろ今までより運動できているかも?」というポジティブな現象に注目したいと思います。今回はこの在宅ワークをしながら、その合間にエクササイズをする新しい習慣を、「在宅ワークササイズ」と名付けました。
まずは、「在宅ワーク」と「運動」についてここ最近でどのような変化が起きているのかをみてみます。
「在宅ワーク」をGoogleトレンドで検索してみると、ここ最近でぐっと検索が上がっています。今回の緊急事態宣言を受けて、在宅ワークを取り入れた企業や個人が多いことがうかがえます。
<「在宅ワーク」検索数>
また、運動絡みだと「家トレ」という言葉も多く上がっており、家でトレーニングをする人が増えているということもわかりました。家トレについてSNSで調べてみると、「家で筋トレをはじめるようになった」という人や、「家に小さな卓球台を導入した」「動画サイトのワークアウト動画を参考にトレーニングをしている」。また、極端な例では「家の中をひたすら往復してマラソンを完走した」という人も海外にはいました。
<「家トレ」検索数>
このように在宅ワークや家での運動が新しい習慣になりつつありますが、今回注目したいのは自分の周りに、「在宅ワークの合間に家トレを取り入れるようになった人」が多いことです。
私のチームでは在宅ワーク中に誰が何をしているのかを把握することと、コミュニケーションを絶やさないために定期的に報告をし合うことにしていますが、「早朝の仕事後にSNS でヨガの動画を見て朝ヨガをした」「仕事が行き詰まらないよう定期的にプッシュアップバー(効果的に腕立て伏せをするための道具)で腕立てをしている」や、家中ではありませんが、「仕事が一段落したので、人が密集しない公園で30分ランニングをしてきた」等の報告が相次いでいます。また、元新体操部の私の妻は1日に一回30分程度会社仲間を募り「ストレッチ講座」なるものをはじめました。みんな各自が自分のPCの前に集まり、ビデオ会議上でストレッチをしています。体がほぐれるのはもちろんのこと、30分だけ気の合う仲間と仕事とは関係ない話をしながらストレッチをすることで気持ちのリフレッシュにもなっているようです。
私も仕事の合間の腕立てをしようとかっこいいプッシュアップバーを買おうと検索しましたが、人気のモデルは売り切れ。「在宅ワークササイズ」が増えていることが実感できました。
それではなぜこのような「在宅ワークササイズ」が増えているのでしょうか?
ひとつは「気分転換の必要性」です。在宅テレワークは便利とはいえ、電話会議等はいつもより集中してスクリーンを見ることになりますし、まだ慣れないことも多いので通常のオフィスワークより疲れやすく、定期的な気分転換が必要になります。
次は「椅子のクオリティー」。これは盲点だったのですが、テレワークが1週間過ぎた頃から「慣れない椅子に座っているから腰が疲れた」「肩がいつもより凝る」「会社で使ってた椅子ってちゃんと疲れないようになってたんだ・・・。」という声が盛んに聞こえてきました。無理な姿勢で凝り固まった腰や肩をほぐすためにも、体を動かす時間が必要なのです。
最後は「運動不足意識の高まり」です。私は1日の歩数やカロリーが見られる腕時計式の活動計をつけているのですが、1日集中して在宅ワークをしていると今までしていた「会社と自宅の行き帰り」や「昼食を会社の外に食べに行く」等の活動がない分、絶望的に消費カロリーが少ないことに唖然としました。自粛期間中とはいえ、少なくとも今までと同じようなカロリーは消費したい。何よりコロナのせいで不健康になってしまったと思いたくない!という気持ちで家トレをしている人も多いのではないでしょうか?現に私のチームであまり運動してなさそうな先輩(失礼!)でさえ今回のことでランニング用の服や靴を一式揃えたと言っていました。
今回のコロナウイルスの感染拡大は「今までの当たり前」を大きく変えてしまった出来事です。しかし、このような状況でも少しでも前向きな毎日を過ごせるよう工夫した新たな習慣も生まれつつあります。「在宅ワークササイズ」はまさにそのひとつで、コロナ騒動後もこの習慣は根付く可能性があります。それに伴いまた様々なビジネスチャンスも拡がります。
でもやっぱり外出自粛や色々なことが制限されるのは辛いですね。このコラムはメンバー約8名で回していて、次の私の出番は6月末予定。その頃にはコロナと関係ないネタが書けるくらい状況が好転していることを強く祈りたいと思います。
2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。