こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。
たまに出社しますが、基本的にはリモートワーク生活が続いています。日中はずっとソファーに座って、目の前のパソコンに向き合っているのですが、同じ姿勢だし、景色も変わらないし、新たな刺激が少ないので、ちょっとずつストレスや疲れがたまっていきますよね。そんな中、食事が貴重なリフレッシュタイムになっている人も多いのではないでしょうか。しかし、三食つくるのは大変だし、マンネリ化も避けたいしと、準備に手を焼く時間であることも確か。そんな中、少しずつ朝食のあり方が、変わりつつあるようです。
今回のテーマは、「朝のおうちワンプレート」。自宅での朝食のワンプレート化が加速しているというもの。SNSや記事を見渡してみると、ワンプレート、ワンボウル、ワンカップ、そしてワンポットという変わり種まで、実に多様なワンプレート化が進んでいることがわかりました。
まずは「彩り豊かなワンプレート」。
Instagramで「#朝ごはん」と検索すると、彩り豊かな料理がワンプレートに詰まっている、いわゆる映える写真がいっぱい出てきます。「#朝食プレート」で検索すると、実に12万件もヒットします。とあるブログサービスで「#朝ごはん」と検索すると、関連するキーワードとして「#ワンプレート」で出てきます。ブログやSNSの内容を読んでみると、別々のお皿に盛りつけると洗い物が大変だけど、ワンプレートにすることでその手間が減るからいい。しかも、盛り付け次第で美味しそうに見えるので一石二鳥だという意見が散見されました。
次に「混ぜて食べようワンボウル」。
代表的なのが、コロナをきっかけに人気が出ているオートミールです。Googleトレンドの検索数の推移をみても、4月以降に急激に伸びていることがわかります。ミルクをかけるだけで手軽に食べられるのが大きな利点ですが、栄養価が高いにもかかわらず低カロリーのため、コロナ太りに悩む人の強い味方になっているようです。
〈「オートミール」検索数〉
また、火を使わずにできる丼ぶりも人気のようです。卵かけご飯、豆腐丼、冷やし茶漬けなどつくるのが簡単で、ヘルシーなものが注目されていますが、薬味や調味料によって、味変をして、マンネリ化を防ぐことができるのもポイントです。
続いて「飲むだけで栄養満点ワンカップ」。
おうち時間が増えたことを機に、ミキサーやブレンダーを買って、朝いろんなフルーツのスムージーをつくるようになったと、私の周囲でよく聞きます。スムージーだけで朝食をすませているようですが、SNSや記事などでよく見るのがバナナスムージーです。Googleトレンドで見てもバナナの検索数が4月頃から増えていますね。エネルギー効率のよい果物としてそもそも日本人に人気ですが、このところさらに伸びているようです。ちなみに、レモンも注目されていて、検索数を比較すると、バナナとレモンは似たような波形を示していました。どうやらライバル関係のようです(笑)
〈「バナナ」「レモン」検索数〉
そして最後は「変わり種のワンポット」。
これは、ヒット習慣メーカーズのメンバーの20代女子が実践しているのですが、朝鍋をしていて、洗い物が面倒なので鍋から直接食べるというもの。だからワンポット(笑)鍋は野菜が食べられて、腹持ちがよいので、ダイエット食として食べているようです。包丁も使わず、野菜を手でちぎって10分煮込めばできてしまうので、なんともラクチンですね。
ではなぜ今、「朝のおうちワンプレート」が注目されているのでしょうか。
理由は、大きく2つあります。一つは、コロナでおうち時間が増えて、自宅で三食つくる必要がある中で、いかに朝食の手間を減らし、満足感を増やすかという点。彩りが豊かなワンプレートなどは、洗い物は極力減らしたいけれど、せっかくの食事の時間を楽しくすごしたいという思いが詰まっています。次に、栄養価は高く、カロリーは低くしたいという願望です。運動不足で、コロナ太りを自認する人も少なくなく、それでもちゃんと栄養はとって免疫力は高めたい。バナナのスムージーや豆腐丼などで、食べ過ぎることなく、効率的に栄養補給しているのです。
「朝のおうちワンプレート」は、まさにこれからがビジネスチャンス。どんなことが考えられるでしょうか。
最近たまにオフラインで人に会うと、なんか痩せた?げっそりしてるね、と言われます。特にダイエットはしていないのですが、今まで夜な夜なお酒を飲みに行っては暴飲暴食を繰り返していた生活から遠ざかったせいかもしれません。いよいよ本格的な夏が始まります。朝からキチンと食べて、せめて、げっそりしたとは言われないようにしたいものです。
メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
クリエイティブストラテジストとして、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。折りたたみ椅子を持ち歩き、気になる景色を楽しむチェアリングを実践中。好きな落語家は五街道雲助師匠。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。