こんにちは。ヒット習慣メーカーズの村山です。
ふたたび、おうち時間が増加する中みなさんいかがお過ごしでしょうか。気付いたらもう2021年も5月、今年も約半年経過しているなんて。毎回このコラムを書くたびに「時間の経過はええ、、、」とぼやいてばかりいますが、新生活のバタバタとニューノーマルの合わせ技でいつも以上に時間の速さが異常です。ひさしぶりにリアルに会った後輩ともなんか数年ぶりに再会したような、そんなことないような、時間感覚に対する違和感を感じました。
さて、そんなバタバタの新生活シーズンに社会人以上に学生のみなさんも慣れない環境での生活を強いられていると思いますが、そんな学生の「学び」の体験が変化してきているというのが今回のテーマ「学遊体験」です。学習体験ならぬ「学“遊”体験」ですが、これは「遊び/楽しさ」の価値を「学習」に取り入れる習慣を指します。
実際に「授業」というキーワードをGoogleトレンドで検索してみると、コロナ禍によるオンライン授業への変化など明確な変化があったのは事実ですが、それでも2019年以前と比べて2倍近くの検索がされていることがわかり、やはり「学生の学び」に対する注目が高まっていることがわかります。
「授業」の検索数推移
最近話題になった、学遊体験はなんといっても国立大学と大手のお笑い事務所が提携を発表したことではないでしょうか。学生にこれまで求められた学力だけでなく、社会と対話し発信していくチカラ、つまりコミュニケーション力について有名国立大学も本腰をいれて取り組み始めた、ということだと思います。実際に政府広報オンラインのページ( https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html )にも「主体的な学び」の視点、「深い学び」の視点、に加えて「対話的な学び」の視点の大切さがあげられています。僕も含めて20年も前に小学校を卒業した人からすると、席に座って眠気を我慢しながら先生の話を一方的に聞くような授業が当たり前だったと思いますが、これからはそのような知識の取得ではなく、その知識を自ら主体的に深く理解し知恵を身につけお互いにコミュニケーションすることで研鑽し体系化していく学びが求められているようです。
他にも、お笑いではないですが、数学や理科のようないわゆる授業ではなく、ボードゲーム作りを授業に活用した高校もあるようです。自発的に学びを探究する力、対話を通じてチームを形成したり、チームで共創する力を学ぶことを目指しているとのこと。画一的な教科書ではなく、ゲームだからこそ主体的に取り組むこともでき、友達とも積極的に会話するのかもしれませんね。同じく、楽しいからやりたくなると言う意味で知育につながるお菓子を授業に活用した高校もあるみたいです。アルギン酸ナトリウムをつかって「つかめる水」がつくれるということを学ぶのに、ただの水ではなく同様の原理を利用した楽しいお菓子で学ぶことで、授業での学びと主体性とコミュニケーションの創発を生み出すことを目指したようです。さらに、おもちゃブロックを授業に導入している学校もあるようです。おもちゃのブロックを使うことで、自分のことを「言葉で話す」ことが苦手な生徒もブロックで自分を表現し、そのブロックを媒体に授業をすすめることで学びに双方向のコミュニケーションを取り入れることが可能になるようです。
ここまで「遊び/楽しさ」の価値を学習に取り入れる事例をご紹介してきましたが、なぜこのような「学遊体験」の潮流が広がっているのでしょうか。やはり大きいのは2020年以降、小中高の学習指導要綱が改訂され「生きる力」を育むことを目的に教育現場が変わりはじめていることが大きいのではないでしょうか。正解のない時代にむけて社会から求めれる能力が大きく変わる、時代の変化の結節点にあるのだと思います。受動的に知識を得るだけではなく、主体的に人と交わりこれまでにない新しい価値を生み出していくような人が今後の時代に求められているのでしょう。
最後に、「学遊体験」のビジネスチャンスについて、少し考えてみたいと思います。
学びの変化に取り残されないようにまだまだ学生の心持ちで、遊びながら学ぶ姿勢をもって頑張っていきたいなと思います。
PR戦略局から、19年に統合プラニング局に異動、21年にふたたびPR局に異動。車からお菓子に至るまで様々なクライアントの情報戦略、企画立案に携わる。毎日きまった街のきまった飲み屋に入り浸っていた生活を経て、知らない街の知らない店に飲みに行きたいなとリサーチ活動を実施中。
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