こんにちは。ヒット習慣メーカーズの藤田です。
皆さんはご自宅ではどのようにお過ごしでしょうか??
昨年に注目された「おうち」というキーワード。コロナ禍の初期のころは、慣れないおうち生活を強いられ、多くの人が家での過ごし方について見直したと思います。そんな中、コロナ禍は収まる気配が見えず、次第におうち時間に慣れ、おうちで過ごすことの一種の“マンネリ化”が起きているのではないかと思っています。
以下のGoogleトレンドをご覧ください。
「おうち」の検索は、2020年の4月に急上昇していますが、それ以降は落ち着いています。自宅
で過ごすことに慣れ、おうち時間が生活者にとって“日常”になっていることが読み取れます。
さて、今回は、そんなおうち時間の気分を切り替える新習慣について紹介します。「おうちスイッチ」です。おうち時間が長期化してきた中で、特別に楽しいことをするというよりは、毎日の何気ない消費行動の中でどう気分を切り替えられるか?という“スイッチのような行動”が焦点になってきているようです。
1つ目は、「視覚」でのスイッチです。
最近は世の中全体としてアートが注目を集めていますが、その中でも絵画のサブスクが人気を集めているようです。定額で払うことで、定期的に色んな絵を楽しめるというものです。家の中で絵を楽しみつつ、定期的に絵を交換して家の装いを変え、おうち体験そのものに新しい刺激をつくろうとしている人が増えています。また、アートに関連して、最近ではお花の自販機なるものもあるようで、手軽におうちの雰囲気を変える傾向も高まっています。定期的に新しい装いに手軽に変えられるものを視覚的なスイッチとして活用し、気分を切り替えているのだと思います。
2つ目は、「嗅覚」でのスイッチです。
最近では、気分によって部屋の香りや自分の香りを変えて気分転換する人が増えているようです。香りへの注目が集まっているのは以前ヒット習慣予報「付加香力」で取り上げた通りですが、その香りを空間に合わせて使い分けるホームフレグランスに注目が集まっていたり、気分に応じて使い分けられる香水のサブスクサービスが人気を集めたりしています。単に自宅内で部屋を移動するだけではなく、香りを変えるというスイッチによって、手軽に気分を入れ替えているのだと思います。ただもちろん、香水に関しては外出時に使い分けられる方は多いと思いますが、このサービスはコロナ禍での外出自粛後に利用者が伸びたそうで、自宅内でも気分に応じて香りを変えるニーズが高まっているといえます。
3つ目は、「味覚」でのスイッチです。
コロナ禍の外出自粛により家での食事が増えた人は多いのではないでしょうか。そんなコロナ禍が長期化した結果、家での献立がマンネリ化してしまうという悩みが生まれていると思いますが、最近では、家での献立に変化を持たせるためにいろいろな工夫がなされているようです。例えば、「再現レシピ」なるものの人気が高まっています。とりわけ大手の外食チェーンの料理や人気商品など食べなれた味を家で表現する動画が増えています。また、弁当に入っているおかずを再現した商品も市販され、人気を集めています。本来であれば外出して食べていたものを自宅で再現し、マンネリ化しがちなおうちごはんの気分を切り替えるスイッチとして使っているのではないでしょうか。
さて、上記のような「おうちスイッチ」を紹介してきましたが、その広がりの背景にあるのは、冒頭に説明した通り「おうち時間のマンネリ化」があると思います。コロナ禍が長期化したことで、コロナ禍初期に見られた「おうちエンタメ」のような“特別なことによる気分転換”に飽きが生まれた。だからこそ、“普段からしていることにどう彩りを持たせるか?”という視点で、例えば視る・匂う・食べるといった日常の何気ない行動に“自分の気分を手軽に切り替えるスイッチ”としての役割をもたせる習慣が生まれつつあるのではないでしょうか。
自分自身、やる気のスイッチを適度にオンオフ切り替えて、無理せず頑張りたいと思います。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
愛知県蒲郡市にて、3人兄弟の三男として生まれる。
2019 年博報堂に入社、希望して関西支社に赴任。マーケティングプラナーとして、また一生活者として、目の前の義憤を仕事に変えようと奮闘中。週末のゴルフと、政治モノの海外ドラマが人生の楽しみです。