こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です
同じチームの新入社員の趣味が筋トレということで、私は最近、美脚になるための筋トレメニューを考えてもらいました。
1日3分で良いので!とおすすめされたのですが、その3分すら毎日なかなか続けるのは難しい…。毎日やるという面倒なことなしに1回やるだけで美脚になる筋トレとかないのかなあ~ないよなあ~なんて思っている今日この頃です。
さて今回のテーマは、日常生活の様々な場面で、自分にとっての面倒や手間など、不要だと感じるものを除き、簡単・手軽に自分が欲しい部分だけを得たい、おいしいとこどりをしたいという気持ちに関するお話です。
今回は、3つのジャンルから「おいしいとこどり生活」の事例をご紹介します。
まず1つ目は、“食”です。
こちらのグラフをご覧ください。
Googleトレンドにおける「塗る」の推移を見てみると、緩やかにですが上昇傾向にあります。
昔は食べ物で「塗る」というと、バターやジャムなど限られた商品しか日常生活であまり見かけませんでした。
しかし最近、野菜のペーストやカレーなど様々な「塗る」タイプの商品が発売されています。
これらの商品の良いところは、手軽さとおいしさの両立です。
本来なら手間をかけなければならない野菜やカレーなどの商品を、塗るだけで手軽に美味しく生活の中に取り入れられることがじわじわと人気になっている秘密ではないでしょうか。
続いて2つめは“ペット”です。
最近ロボットペットやバーチャルペットが人気になってきています。
形や特徴もバリエーションが豊富で、犬のフォルムを再現したものや、猫の手触りやしっぽの雰囲気を再現したもの、やきもちをやくもの、会話ができるものなど、それぞれに特徴を持ったペットが登場しています。
外見は様々なロボットペット/バーチャルペットですが、共通していることは、本物のペットに近づいているということです。
手触りや見た目を始めとし、本物のペット同様、接する回数が多いほど懐くなど人によって行動が異なるなど性質部分までこだわっているものもあるようです。
本物のペットのように世話の手間がなく、元々ペットが持っている“癒し”や“元気になれる力”をくれる存在として、様々なライフスタイルの人に人気が出てきているのではないでしょうか。
最後、3つめは“エンタメ”です。
最近、動画を早送り(倍速)で見る人が増えています。
これは特に若者の間で顕著らしいですが、私の友人でも映画や1話あたりの時間が長い韓国ドラマなどは1.5倍速で視聴しているという人が多く、とても驚きました。
彼らになぜ早送りをして動画を見るのかを聞くと、
「その方が色々なものをたくさん見られるから」「時間を無駄なく使えるから」と言った返事が返ってきました。
また、「声が変わらず、内容がわかるくらいのぎりぎりのスピードで見ているからストーリーもちゃんとわかる」「海外作品は字幕なので、音声だけのときよりも、よりスピードを速めてみる」といった彼らなりの工夫をしており、思い思いにその映画や動画を楽しんでいる様子でした。
彼らにとって、たくさんの見たい情報に溢れている今、“間”や“細かなニュアンス”などは時間を食ってしまう無駄なものとして認識され、限られた時間の中でたくさんの「見たい」を叶えるために早送りで視聴をするという対策をとっているようです。
それにより、大まかなストーリーを理解しながら数多くのエンターテイメントコンテンツを楽しんでいる人が増えているのではないでしょうか。
ではなぜ、“おいしいとこどり生活”をする人が増えてきているのでしょうか。
その背景には近年の生産性・効率化を求める社会情勢があるかと思います。
生産性や効率化は”無駄“や”手間“など不必要だと思われる部分を省くことで最短で目的を達成するための取り組みのことを指します。
このコラムを読んでくれている方の中にも、ビジネスシーンにおいて、「生産性」「効率化」と言われだし、それを体感している方も多いかもしれません。
このような面倒などの無駄を省き、自分の欲しい部分だけを得たいという気持ちは日常生活においても浸透し、その気持ちに応えてくれるような商品やサービスが受け入れられているのではないかと思います。
最後に、「おいしいとこどり生活」から見るビジネスチャンスについて考えてみました。
個人的にはエンタメは等速で楽しみたいなと思いつつ、仕事もプライベートも適度においしいとこどりをしていけるよう頑張らないとと改めて思いました。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ち。社会人の4年間をかけて習得した標準語を、支社転勤により順調に失いつつあると実感したことが最近の少し悲しかったことです。