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HAKUHODO DX_UNITEDのスペシャリスト達⑦
プラットフォーマーと連携し、新しい価値を生み出していく
──ソリューション開発プロデューサー対談

2021.10.28
データ活用の社会的ルールが厳しくなってきた中で、大量のデータを保有するプラットフォーマーは、新しい機能やサービスを次々に生み出しています。博報堂DYメディアパートナーズの新しい職種であるソリューション開発プロデューサーの役割は、そのようなプラットフォーマーの機能に着目し、クライアントのマーケティング活動に寄与するソリューションをつくり出すことです。これまでさまざまなソリューションを開発してきた2人のプロデューサーに話を聞きました。

片岸 正雄
博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォーマー戦略局
ソリューション開発プロデューサー

佐々木 将人
博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォーマー戦略局
ソリューション開発プロデューサー

何かできそうだから、まずはやってみよう

──ソリューション開発プロデューサーの役割についてお聞かせください。

片岸
プラットフォーマーがもつデータや機能を活用してソリューションを開発する仕事です。僕は、プラットフォーマーの中でも主にYahoo!とLINEがもつデータやマーケティング機能を活用しながら、クライアントのデジタルマーケティングをトータルに支援するソリューションをつくっています。

僕たちが手掛けているソリューション開発には大きく2つの方向性があります。一つは、クライアント課題から出発し、それをプラットフォーマーのデータや機能と組み合わせる方向です。クライアント案件にカスタマイズしたソリューションづくりですね。

佐々木
もう一つは、プラットフォーマーの機能から出発してソリューションをつくるという方向で、僕の担当は主にそちらの方です。最近、プラットフォーマーがもつ大量のユーザーIDに紐づいた情報を広告主企業が活用できる「データクリーンルーム」という機能が注目を集めています。そのような新しい機能を使ってソリューションを開発しています。

データクリーンルームを使ってどんなデータ活用ができるかを考え、それをグループ内の勉強会で発表し、反応がよかったものをソリューション化していく、といった流れです。ソリューションができたら、実際にクライアントに使ってもらいながらブラッシュアップしていきます。スタートアップのソフトウェア開発のスタイルに近いと言えるかもしれません。

片岸
ソリューションの数で見ると、自発的に開発していくケースの方が断然多いですね。

佐々木
何かできそうだから、まずはやってみよう。そんなスタイルですよね。そこからさらに、クライアントの課題に合わせて機能をつくりこんでいくケースもあります。

──具体的な仕事の進め方についてお聞かせください。

片岸
営業、マーケティング、戦略プランナー、クリエイティブといったメンバーと一緒にチームを組んで、クライアントの戦略立案から実行までを支援していくのが一般的なケースです。一つの案件に対し、一人ないし二人のソリューション開発プロデューサーがつきます。クライアントとのミーティングに同行して、プラットフォーマーの機能を使って何ができるかについて一緒に話し合いをすることもよくあります。

未知のことにトライできるマインドが大切

──この仕事の難しさはどのようなところにありますか。

片岸
スピードが求められるところだと思います。テクノロジーもプラットフォームのサービスもどんどん変化しているので、できるだけ早くソリューション化しなければなりません。企画を練って、時間をかけてつくるのではなく、まずアウトプットを早めにもっていって、提案してみて、先行的な実績を残す。そんなマインドが必要です。

佐々木
案件によっては、社内で関わる部署が多く、リリースまでに時間がかかる場合もあります。そういうときは、それを見越して、さらに早めに動かなければなりません。そのためには、部署内にプログラムを書けるスキルのある人がたくさんいたほうがいいわけです。プラットフォーマーやクライアントに向き合いながら、プログラムも書く。そんな新しいスタイルのポジションですね。

片岸
スピードを上げるには、タイミングを捉える力も必要です。プラットフォーマーのもつデータや独自の機能は、いつでも誰にでも開放されるわけではありません。プラットフォーマーと日常的に関係を深めながら、データを提供してもらえるタイミングで適切な交渉をして、それを価値に変えていくのがこの仕事の難しさであり面白さです。

──ソリューション開発プロデューサーにはどのような要件が求められますか。

佐々木
一番大事なのは、未知のことにトライできるマインドがあることだと思います。そのようなマインドがあれば、どんどんスキルを磨いていくことができるし、新しい知識を身につけることができるからです。プラットフォーマー側の機能は頻繁にアップデートされます。そこにキャッチアップして、わからないことがあっても自分から積極的に理解しようとする。そんなスタンスが求められます。

片岸
いろいろなパーツを組み合わせて、形を生み出す力も必要ですね。一つ一つのパーツはシンプルでも、それを組み合わせることで、これまでになかった新しい価値が生まれることがあります。やれば簡単にできるはずなのに、実は誰もアウトプットしていない──。そういうことが、わりとたくさんあります。シンプルなんだけれども組み合わせ次第で価値を生み出せる点に着目して、アウトプットまで着地させる。そんな力を磨くことが大切だと思っています。

メディアエージェンシーというポジションがもつ強み

──現在に至る歩みをお聞かせください。

片岸
新卒でデジタル専業広告会社に入社し、2011年に博報堂DYグループに来ました。ソリューション開発プロデューサーになる前は、デジタルマーケティング、統合プランニング、デジタルメディアのプロデューサーなどの仕事を経験してきました。

佐々木
僕は、2015年に博報堂DYメディアパートナーズに入社し、最初の3年間はダイレクトマーケティグの領域で主に金融系のクライアントの支援を担当しました。その後、データサイエンスの部署で半年ほどデータ分析業務に携わったのちに現部署となり、プラットフォーマー戦略局にてプラットフォーマーのビジネス推進やソリューション開発を担当しております。

──お二人は、現在博報堂DYメディアパートナーズに所属しています。現在の仕事の中でその強みはどのように発揮されていますか。

片岸
日本では、広告会社がクライアントとメディア両方のエージェンシーであるケースがほとんどで、メディアエージェンシーというポジションの会社は、博報堂DYメディアパートナーズがほぼ国内唯一です。メディアやプラットフォーマーとの向き合いを本業としているからこそ、より深い関係を構築できるし、新しい動きにもいち早く対応できる。その点がほかの広告会社にない強みだと思います。

佐々木
プラットフォーマーと直接的なコミュニケーションができるので、プラットフォーマーの意向を正確に汲み取りながら、クライアントの意向、社内の営業担当の意向を踏まえてスピーディにソリューションをつくることができますよね。それも大きな強みだと感じています。

わかりにくいものをわかりやすい形にする

──これまで開発した具体的なソリューションにはどのようなものがありますか。

佐々木
代表的なものに「Audience Dive」があります。データクリーンルームを活用し、広告に接触したオーディエンスの多面的な分析ができるツールで、いろいろな業種・業態のクライアントにお使いいただくことを想定した汎用的ソリューションです。一般的なデータクリーンルームの分析には時間とお金がかかるのに対して、「Audience Dive」は比較的低コストで使えて、スピーディに結果を出すことができます。データクリーンルームを体験してみたいというニーズにお応えするソリューションと言えますね。

──ソリューション開発プロデューサーとして、クライアントにどのような価値を提供していきたいと考えていますか。

佐々木
データクリーンルームやクッキーレスなど、新しいテクノロジー、サービス、仕組みなどが出てきたときに、それをクライアントにとってわかりやすい形にして、トライしやすくする。それが、僕たちが提供できる価値だと思います。

片岸
わかりにくいものを可視化してわかりやすい形にすることができれば、クライアントの意思決定のスピードも上がりますよね。テクノロジーのハードルを下げて、「ああ、こういうことなんだ」という理解を促すことが僕たちの役割だと考えています。

──博報堂DYグループは、広告メディアの次世代型モデルとして、AaaS(Advertising as a Service)に注力しています。お二人の部門でのAaaSへの取り組みの見通しについて最後にお聞かせください。

片岸
すべての広告メディアを運用型モデルにして、クライアントの成果に寄与していくことがAaaSの基本的な考え方です。そこに対して、プラットフォーマーがもっている鮮度の高いデータや情報を流すことで潤滑油的な役割を果たしたいと考えています。クライアントの成果につながるデータを最も多くもっているのはプラットフォーマーです。これまでプラットフォーマーとの間で培ってきた信頼関係を、クライアントの価値に確実に変えていきたいですね。

佐々木
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めながら広告成果を高めていくのがAaaSだと僕は捉えています。デジタル側にいる僕たちが、プラットフォーマーの機能を活用しながら、テレビなどのマス媒体のDXを支援し、クライアントにとっての広告成果につなげていく。そんな取り組みをこれからも進めていきたいと思っています。

片岸 正雄
博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォーマー戦略局

2011年 博報堂DYメディアパートナーズ グループに入社。
デジタルを中心にデータマーケティングや統合マーケティング支援に従事。
TV/デジタル、ブランド/ダイレクトを問わず、実弾を踏まえた戦略立案からエグゼキューションの提案に注力。

佐々木 将人
博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォーマー戦略局

2015年博報堂DYメディアパートナーズ入社。マーケッター、アナリストとしてダイレクトマーケティングを担当。テクノロジーを活用したプロモーション、プロダクト開発業務にも従事し、現在はプラットフォーマーの知見を活かしたソリューション開発、ビジネス推進に注力。
2013年、 IPA未踏事業にてスーパークリエータ認定。2018年、駒沢大学にて講演「実践メディアビジネス講座Ⅲ」。

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