こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。
いよいよ2022年に突入しました!2017年にスタートしたヒット習慣メーカーズも気づけば6年目に突入です。今年もどうぞよろしくお願いします!!
さて我が家には4歳の子供がいるのですが、最近はどのような習い事をさせてあげるのが良いのかの議論が尽きません。親が子供と一緒にやれると楽しいからやらせたいこと。子供が本当に楽しんでできそうなこと。はたまた少しでも将来に役立ちそうなこと等、一言で「習い事」といってもいろいろな選ぶ基準があるためです。
そのため我が家では、今までスイミング、英会話、不定期開催の親子サッカースクール等に通わせてみましたが、本当にそれでいいのか迷いながらまた新しいものに手を出すということが続いています。こうなる理由を考えてみたのですが、今まで「習い事」というとスイミング、ピアノ、英語等定番のものが目立っていましたが、最近になって色々と新しいオプションが増えて良い意味でも悪い意味でも親を悩ませていることも理由だと思いました。いろいろな習い事がある中で子供にとって最適な習い事が何なのかを悩む現象を「子供の習活」と名付けました。
まず、そもそも子供の習い事の選択肢に本当に何かしらの変化はあるのでしょうか。
以前ヒット習慣予報 vol.101 『プレイ・プログラミング』で子どもを中心に遊び感覚でプログラミングに親しむ新しい習慣を指摘しました。その流れと関連して「プログラミングスクール」というキーワードで調べてみると下記のようになりました。
<「プログラミングスクール」検索推移>
やはり「プログラミングスクール」の検索はここ5年で増えており、新しい習い事のオプションになっていることが伺えます。
それでは「プログラミングスクール」以外にどのような新しい習い事が増えているのでしょうか?「プログラミングスクール」と共によく聞くのは「サイエンススクール」。「プログラミングスクール」同様理数系の考え方を養うことを目的としています。これと似たところだと遊びながらプログラミングの基礎を学ぶ「レゴスクール」も人気なようです。
さらに「生きる力」を育むことを目的とした「リベラルアーツスクール」。動画クリエイターに憧れる子供が通う「動画制作教室」。心と体を整える「ヨガスクール」。昨年の東京オリンピックでも注目を集めた「スケートボードスクール」等多種多様なジャンルの習い事が出てきています。
ではなぜ習い事のオプションが豊富になり「子供の習活」が増えているのでしょうか。
まずは将来を予測するのが極めて困難なVUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))の時代に、「これだけやっていれば大丈夫」という間違いのないキャリアがなくなったこと。それに伴い教育や習い事もわかりやすい正解がなくなったことが大きいです。これは2020年度から全面改定された学習指導要領にも影響を与えています。新しい学習指導要領では「これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。」という考えのもと、「生きる力 学びの、その先へ」をテーマにしています(文部科学省 「改訂に込めた思い」より)。これに合わせて先ほど出てきたような「リベラルアーツスクール」をはじめとした多種多様な「生きる力」を育む習い事が注目を集めていると考えられます。
また、何が正解かわからないだけに、定番の水泳や英会話等はやらせた上で、より今後大切になりそうなプログラミングスクール等も併用したいと考える親もいて、結果的に子供が習い事過多になっているという現象も起きているという話も聞きます。これは世帯あたりの子供の数が減ったことで、一人にかけられる習い事の費用(送り迎えを含めた時間的なコストや月謝等)が上がったことも無関係ではなさそうです。
さらに最近ではコロナをきっかけにリモートでできる習い事も増えています。
審査を通った一般の人が先生になり子供に学びを提供するオンラインの習い事教室サービス等もあり、そこでは多種多様な学びを提供しています。技術の進歩で様々な習い事を家にいながら手軽にできるようになったことも「子供の習活」に新たな選択肢を与えています。
以上、「子供の習活」を見てきましたが、子供に先行き不透明な未来をなんとか楽しく前向きに過ごしてほしいと考える親がいる限り、今後も「子供の習活」は大きなテーマになりそうです。そしてそれに伴い新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
不確かな時代の中子供の習い事や教育の悩みは尽きませんが、どんな道を選んだとしても子供にとって良い人生を歩める手助けをしたいという親の気持ちだけはいつの時代も変わらないんだろうなと感じます。親世代の皆さん、一緒に頑張りましょう!!
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。