ヒット習慣予報 vol.210『睡眠ケア投資』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。

徐々に春が近づき、暖かくなってきましたね。
私は毎年、冬になるといくら寝ても眠くて、朝起きるまで時間がかかってしまうのが小さな悩みだったのですが、最近はすっきりと目覚められるようになってきました。
日が昇るのが早くなり、目覚めがすっきりすることで春の訪れを体感している今日この頃です。

さて今回はそんな“睡眠”に関する習慣、「睡眠ケア投資」についてご紹介します。
以前、ヒット習慣予報vol.25「おやすみ前のひと手間」で、寝る“前”にちょっとした工夫（ひと手間）を行うことで、睡眠の質を高めるという習慣をご紹介しました。
このような流れも受けながら、最近ではさらに寝る前だけでなく、寝ている“間”にも注目する人が増えてきているのではないか、というのが今回のお話です。

では具体的にどのような注目がされているのか、いくつか例をご紹介します。

まずは、“睡眠に欠かせないモノのバージョンアップ投資”です。
眠るうえで欠かせないのが、寝具。
自分がぐっすり眠るために、寝具にもこだわる人が増えています。
例えば、人間が心地よく眠れるように自動で温めてくれるAI機能つきのマットレスや、睡眠中の脳の深部体温を下げることによって、より深い眠りを可能にする枕など、単なる寝心地にとどまらず、＋αの価値を持ったこだわりの寝具が増えてきています。

また、寝具だけでなく、パジャマも進化しています。
血行を促進し、筋肉のコリを緩和したり、快適な体温に保つことで疲労回復をサポートしてくれる機能を持つものが登場し、着るだけで疲労回復をサポートしてくれるリカバリーウェアとしてじわじわと話題になってきています。
SNSでリカバリーウェアを実際に着用した人の声を見てみると、パジャマ自体の着心地と、翌朝の目覚めた時のスッキリした感覚が良い点が評価されているようでした。
これまで「寝心地」や「着心地」などなんとなくの感覚で選ばれていた寝具やパジャマに機能性など＋αの価値を持たせることで、より熟睡しやすい状態を意識的に作りだしたいと考える人が増えているのかもしれません。

続いては“睡眠時間にプラスオン投資”です。
これまでただ単に眠っているだけだった時間を有効活用して美容時間にしようと、様々なビューティー商品を寝ている間に使用する人が増えてきています。
まずは、「ナイトキャップ」です。ナイトキャップとはその名の通り、睡眠時にかぶる帽子のことなのですが、 Google トレンドで見てみると、ここ数年でじわじわと注目されてきているのがわかります。

ナイトキャップの効果として、
・知らず知らずのうちに枕や寝具で負っていた摩擦ダメージを防ぐ
・髪や頭皮のパサつきや乾燥を防ぐ
・寝ぐせがつきにくい
ということがあるようです。
髪の印象は、自分の印象を支えてくれる大きな要素なので、寝ている間もケアして、キレイな髪を保ちたいという意識があるのではないでしょうか。
また、胸の形崩れをおさえ美バストをつくるナイトブラや、夜ケア専用の美容液や保湿クリームといった商品も続々登場しており、今後ますます寝ている間により美しくなるためのケアを並行して行いたい、というニーズは今後より高まっていくかもしれません。

では、なぜ「睡眠ケア投資」が今盛り上がっているのでしょうか。
睡眠自体の重要性に関しては数年前から注目されてきていましたが、その影響で睡眠がもたらす様々な良い影響が世の中に知られていったことが要因の一つではないでしょうか。
質の良い睡眠をとることは、メンタルの安定や健康促進そして美容効果など、私たちが普段、睡眠と結びつけず別々で悩んでいる様々な問題を解決してくれるものである（もちろん睡眠だけで解決するわけではないですが）ということが知られるようになったからこそ、睡眠に対する意識がさらに上がったという風に考えています。
それに伴って、睡眠“前”にとどまらず、さらにこだわって睡眠の質を上げるために睡眠グッズをアップデートしたり、睡眠時間を有効活用して美容ケア時間にするなど、睡眠の“間”にも投資をする人が増えてきているのではないかと思います。

最後に「睡眠ケア投資」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。

私も最近ひしひしと睡眠の大切さを実感しているので、今回の執筆にあたっていろいろ調べていくうちに思い切って寝具に投資をしようかな、と思っています。

▼「ヒット習慣予報」とは？
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。