こんにちは。ヒット習慣メーカーズの吉田です。
9月になり、私の住む北海道はだいぶ涼しくなり、秋の気配も感じる今日この頃。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
最近の自分の生活を思い返してみると、リモートワーク中心の生活が続いて、打ち合わせの時にイヤホン、作業中に音楽を聴くのにイヤホン、といった感じで、1日中イヤホンをしながら過ごしていることに気付かされます。コロナ禍以降、そんな生活を送っている方も多いのではないでしょうか。
実際、Googleトレンドで「イヤホン」と検索してみると、年々検索数が伸び続け、コロナ禍以降では定着しているトレンドであることがわかります。生活の中でもイヤホンは必須アイテムになっているなあと改めて感じます。
イヤホンが必須アイテムとなった今、ここ最近ではどんな使い方をされているのか気になり色々と調べてみると、耳や音から身体を整えたり、メンタルケアをする人たちが増えてきていることがわかりました。
そこで、今回は「耳からヘルシー」と題しまして、耳からヘルスケアをする習慣の兆しをいくつか紹介したいと思います。
最初に紹介する事例は、「ホワイトノイズ」でヘルシーです。
ホワイトノイズとは、様々な周波数の音を同じ強さでミックスして再生したノイズ(雑音)のことで、具体的には換気扇やテレビの砂嵐の「サーッ」「シーッ」といった音です。
ホワイトノイズには、人間にとって耳障りな音をかき消してくれる効果(こういう効果をサウンドマスキングと言います)があり、集中力向上やリラックス、安眠に使えるそうです。勉強や仕事に集中するためにホワイトノイズを聴いている人も増えていて、ホワイトノイズが聞けるアプリやホワイトノイズマシンという音を出す機器も発売されています。
また、大人だけでなく赤ちゃんにも効果のある音で、赤ちゃんを寝かしつけたり、赤ちゃんに泣き止んでもらうために、ホワイトノイズを聴かせるお母さん・お父さんも増えてきています。
次は、「サウンドセラピー」でヘルシーです。
心地よい音を聴いて癒されるといった音の楽しみ方は以前からあったと思いますが、サウンドセラピーでは、周波数(=音)を使って、身体や心を整えることを目的にしていて、サウンドセラピストという専門家の方もいます。
私がサウンドセラピーを知ったのが「音欲で、音のドームに包まれる」という不思議なネット動画に興味を惹かれたのがきっかけです。安眠効果があるということで試しに聴きながら眠ってみたところ、普段は寝つきが悪いのに、気が付いたら夢の中へ…。動画のコメント欄にも、長年不眠症で悩んでいる方が「この動画で救われました」とコメントしていて、サウンドセラピーの効果を体感する声もありました。
最後に紹介するのが、「耳温活」でヘルシーです。
耳を温めることで寝つきが良くなったり、リラックス効果を得られたりすることが、科学的にも証明され、最近話題になっています。睡眠には自律神経が深くかかわっていて、耳には自律神経が多く集まっていることもあり、耳を温めると睡眠に良い影響があるようです。実際に、コロナ禍に入ってから耳を温める商品もヒットしており、セルフケアのひとつとして、耳温活が徐々に広がり始めています。
ここまで事例をいくつか紹介してきましたが、「耳」で音を聴くことでリフレッシュしたり、「耳」を温めることで寝つきを良くしたりなど、「耳」を使ったヘルスケアが増えてきていることがわかりました。
では、なぜこのような「耳からヘルシー」が生まれたのでしょうか。
まずひとつは、コロナ禍で生活習慣が変化したことが「耳からヘルシー」が生まれた背景と考えられます。生活環境の急激な変化に伴い、寝つきが悪くなったり、ストレスを感じやすくなったりする人が増えています。さらに、仕事によっては私のようにイヤホンを四六時中使わなければならない人も増え、耳自体の健康問題も増えてきているからではないでしょうか。
もうひとつは、耳を活用するだけの「手軽さ」が挙げられます。 以前、『vol.79聴活ライフ』で聴覚をフル活用する習慣を取り上げましたが、耳を生活の中で活用することが浸透してきています。そして、「聴くだけ」「温めるだけ」といった、労力をかけず誰でも簡単にできる点が、手軽にできるセルフケアとして広がり始めているのだと考えられます。
最後に、「耳からヘルシー」のビジネスチャンスについて、少し考えてみました。
私は音楽を聴くのが好きで、好きな曲を爆音で聴き続けているのですが、今後は耳の健康にもっと気を使わないといけないなと痛感しました…。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
2020年北海道博報堂に入社し、マーケティング・ストラテジックプラナーとして業務に邁進している。インターネットに生息し、日夜インターネットカルチャーを浴び続けている。