株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※11月4-7日に調査
2022年12月の消費意欲指数は54.4点。前月比は+8.6ptの大幅な上昇ながら、前年比は-1.7ptの低下となりました。
クリスマスや年末年始を控える12月は、1年で最も消費意欲指数が高まる月です。今年も前月から+8.6pt増加し、今年の最高値となりました。ただし、前年と比べると-1.7ptで、前月と同様、最近5年間では消費税増税があった2019年に次ぐ低い指数となりました。
消費意欲指数の理由(OA)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(11月337件→12月557件)が増加し、ネガティブな回答(11月913件→12月717件)が減少しています。具体的にポジティブな回答では、「(クリスマス/年末年始の買い物など)季節的な意欲向上(11月92件→12月303件)」や「ボーナスが入った、入る(11月12件→12月72件)」が増加しています。ネガティブな回答では、「他の出費・出費予定のために控える(11月136件→12月77件)」が減少し、前月非常に多かった「物価高・値上げ・円安(11月199件→12月139件)」も3割ほど減少しています。
また、前年と比べると、消費にポジティブな回答(21年12月639件→22年12月557件)が減少し、ネガティブな回答(21年12月661月件→22年12月717件)が増加しています。具体的な回答では、「(食べ物の美味しい時期/クリスマスプレゼント、お歳暮など)季節的な意欲向上(21年12月344件→22年12月303件)」が減少しています。ネガティブな回答では、「物価高・値上げ・円安(21年12月8件→22年12月139件)」が大幅に増加し、「(お金がない、余裕がない、将来不安など)金銭的な理由で節約、我慢(21年12月161件→22年12月183件)」も増えています。
12月らしい消費意欲の上昇はみられるものの、物価高や節約意識が高まっていることが、“おいしいもの”や“贈答”などのこの時期ならではの消費にブレーキをかけそうです。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は36.6%。前月比は+8.3ptの上昇、前年比は-5.5ptの低下で、消費意欲指数と同様に今年の最高値となりました。
カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「食品」「外食」「書籍・エンタメ」「飲料」をはじめ16カテゴリー中13カテゴリーで20件以上増加しています。一方、前年と比べると「食品」「ファッション」」「外食」など9カテゴリーで20件以上減少しています。
12月らしく、多くのカテゴリーで消費意向は高まりますが、例年ほどの水準にはならないようです。
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