株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※1月4-10日に調査
2023年2月の消費意欲指数は44.6点。前月比は-3.3ptの低下となりましたが、前年比では+1.7ptと上昇しました。
例年2月は、年末年始の支出の反動で、1年の中で最も消費意欲指数が落ち込む月です。今年も前月から-3.3pt低下しましたが、例年の下げ幅(-7〜-9pt)より小さく、前年比では+1.7ptと上昇し、2月として過去5年間の最高値となりました。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(1月394件→2月282件)が減少し、ネガティブな回答(1月867件→2月1003件)は増加しています。具体的にポジティブな回答では、「(新年・正月など)季節的な意欲向上(1月104件→2月56件)」や「セールがある(1月120件→2月16件)」が減少しています。ネガティブな回答では、「今月までに多く使った反動で節約(1月87件→2月170件)」や「欲しいものがない・すでに買った(1月241件→2月314件)」が大幅に増えています。また、「物価高・値上げ・円安(1月151件→2月118件)」は前月より減少したものの、依然多くあがっています。
前年と比べると、消費にポジティブな回答(22年2月248件→23年2月282件)は増加、ネガティブな回答(22年2月988件→23年2月1003件)では前年並みとなっています。具体的にポジティブな回答では「(旅行など)欲しいもの/出費の予定がある(22年2月103件→23年2月144件)」が増加し、ネガティブな回答ではコロナ禍関連 (22年2月86件→23年2月14件)が大きく減少しています。
年末年始で出費が増えた反動や物価高の影響はありつつも、旅行などへの意向が後押しをして、例年よりも消費意欲の高い2月となりそうです。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は24.3%。前月比は-4.0ptと低下するも、前年比は+1.8pt上昇し、消費意欲指数と同様の動きがみられました。
16カテゴリーの消費意向をみると、前月比は「ファッション」「外食」「レジャー」など7カテゴリーで20件以上減少しました。一方、前年比は「旅行」「書籍・エンタメ」の2カテゴリーで20件以上増加しています。前月からは幅広いカテゴリーで消費意向が減少していますが、前年比では娯楽関連を中心に消費意向が高まりそうです。