株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※3月2-6日に調査
2023年4月の消費意欲指数は47.7点。前月比は+0.4pt、前年比は-0.3ptで、ともに横ばいとなりました。
例年4月は、3月から消費意欲指数の変動が少ない月です。今年も前月比+0.4pt、前年比でも-0.3ptの横ばいと、前月比・前年比ともに大きな動きはありませんでした。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答、ネガティブな回答とも件数はほとんど変わっていません。具体的にポジティブな回答では、「(新生活・新年度の準備/春だからなど)季節的な意欲向上(3月119件→4月141件)」が増えているものの、「(旅行など)出費の予定/欲しいものがある(3月150件→ 4月125件)」は減っています。ネガティブな回答では、「欲しいもの・意欲がない(3月352件→4月372件)」が増加し、「金銭的な理由で節約・我慢(3月200件→4月157件)」は減少しました。また、「物価高・値上げ・円安(3月221件→4月207件)」は依然高い水準が続いています。
前年と比べると、消費にポジティブな回答(22年4月396件→23年4月346件)は減少し、ネガティブな回答(22年4月842件→23年4月879件)は増加しています。具体的にポジティブな回答では、「(新生活・新年度の準備/春物が欲しいなど)季節的な意欲向上(22年4月160件→23年4月141件)」が減っています。ネガティブな回答では、「金銭的な理由で節約・我慢(22年4月191件→23年4月157件)」は減っていますが、「物価高・値上げ・円安(22年4月53件→23年4月207件)」では大幅に増えています。
春に向けた消費意欲は高まるものの、物価高の影響もあってか、それ以外の消費意欲は上がりきらない様子がうかがえます。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は26.8%で、前月比-1.6pt、前年比-0.7ptと、どちらもやや低下しています。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比で20件以上増加したのは「家電・AV」のみで、減少したカテゴリーは見受けられませんでした。また、前年比では、20件以上増減したカテゴリーはありませんでした。新生活準備などにより一部のカテゴリーでは意欲が高まるようですが、それ以上の動きはない4月となりそうです。