株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※6月1-7日に調査
2023年7月の消費意欲指数は47.1点。前月比は+0.8ptとやや上昇、前年比では-1.4ptと低下しました。
夏休みやボーナス期を迎える7月は、例年消費意欲指数が大きく上昇する月ですが、今年は前月比で+0.8ptにとどまりました。前年比では-1.4ptの低下と、過去5年間の7月として最も低い数値となっています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(6月335件→7月361件)はやや増加し、ネガティブな回答(6月914件→7月819件)は減少しています。具体的にポジティブな回答では、「(夏休みや夏服を買いたいなど)季節的な意欲向上(6月57件→7月99件)」「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある(6月38件→7月58件)」が増加しています。ネガティブな回答では、「今後の出費予定のために我慢(6月147件→7月96件)」が減少しており、前月比では、夏休みやボーナスのある7月に特徴的な変化となりました。
前年と比べると、消費にポジティブな回答(22年7月396件→23年7月361件)は減少し、ネガティブな回答(22年7月819件→23年7月819件)は横ばいとなりました。具体的にポジティブな回答では、「(買い物をしていない反動など)満足のため(22年7月51件→23年7月31件)」「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある(22年7月71件→23年7月58件)」で減少が目立っています。ネガティブな回答では、「金銭的な理由で節約、我慢(22年7月160件→23年7月180件)」がやや増加したのみで、前年から大きく増減した回答はみられませんでした。また、「物価高・値上げ・円安(22年7月113件→23年6月110件→23年7月118件)」は、昨年から引き続き高い水準で推移しています。
依然続く物価高の影響に加え、コロナ禍明けの反動的な消費意欲が落ち着いたことと、ボーナス期にもかかわらず金銭的な余裕が高まりきらないことから、例年の7月ほど消費意欲の上昇は期待できないようです。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は28.2%で、前月比では+1.6ptと上昇、前年比では+0.5ptと横ばいでした。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比で20件以上増加したものは「レジャー」のみで、20件以上減少したものはありませんでした。また、前年比では20件以上増加・減少したカテゴリーはありませんでした。
夏休みを前に「レジャー」への消費意向は高まるも、その他のカテゴリーではあまり変化がないようです。