株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
※4月4-8日に調査
2024年5月の消費意欲指数は47.0点。前月比は-0.8ptとやや低下しました。また、前年比では-0.6ptでほぼ横ばいになりました。
5月は大型連休のある月ですが、例年、4月からあまり変化のない月です。消費意欲指数は、今年は前月比では-0.8ptとやや低下しました。また、前年比では-0.6ptとほぼ横ばいになりました。消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(4月372件→5月392件)、ネガティブな回答(4月845件→4月827件)はともにほぼ横ばいとなりました。具体的には、ポジティブな回答で、「大型連休がある(4月2件→5月100件)」「(旅行など)出費の予定/欲しいものがある(4月133件→5月174件)」が増加し、「新生活の準備(4月63件→5月14件)」は減少しています。ネガティブな回答では、「これまでの出費や今後の出費予定のために我慢(4月150件→5月120件)」が減少しましたが、「物価高・値上げ・円安(2月59件→3月65件→4月78件→5月85件)」は3カ月連続で微増傾向にあります。
前年比では、消費にポジティブな回答(23年5月406件→24年5月392件)、ネガティブな回答(23年5月837件→24年5月827件)はともにほぼ横ばいとなりました。具体的には、ポジティブな回答で、「(気候的に外出が増えそうなど)季節的な出費(23年5月201件→24年5月186件)」がやや減少した程度で、その他で目立って増減したものはありません。ネガティブな回答では、「欲しいものがない・意欲がない(23年5月345件→24年5月398件)」が増加し、「物価高・値上げ・円安(23年5月148件→24年5月85件)」は減少しています。
5月特有の大型連休に向けた意欲の高まりはみられるものの、消費意欲に対する物価高の影響は、直近で微増傾向が続いています。今後物価高が消費意欲にどのような影響を与えるのか、引き続き注視する必要がありそうです。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は29.0%で、前月比では+0.1ptと横ばい、前年比では+1.1ptと上昇しています。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「日用品」「食品」「ファッション」「スマートフォン・携帯電話」などの7カテゴリーで、前年比では「日用品」で20件以上減少しました。日用品を中心とした幅広いカテゴリーで消費意向が低下していることがうかがえます。