株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
※6月3-6日に調査
2024年7月の消費意欲指数は46.5点。前月比で+3.1ptと大幅に上昇し、前年比では-0.6ptで横ばいとなりました。
夏休みやボーナス期を迎える7月は、例年消費意欲指数が高まる月です。今年も前月から+3.1ptと大きく上昇しました。男女別でみると、男性+5.9pt、女性+0.3ptと、特に男性での上昇が目立ちます。前年比では-0.6ptの横ばいですが、7月としては過去5年で最も低い数値となりました。消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(6月287件→7月369件)は増加し、ネガティブな回答(6月934件→7月861件)は減少しました。具体的には、ポジティブな回答で、「(旅行など)出費の予定・欲しいものがある(6月119件→7月161件)」「ボーナスが入る(6月26件→7月62件)」が増加しています。ネガティブな回答では、「今後の出費予定のために我慢(6月174件→7月117件)」が減少しています。
前年比では、消費にポジティブな回答(23年7月361件→24年7月369件)は横ばいで、ネガティブな回答(23年7月819件→24年7月861件)は増加しています。具体的には、ポジティブな回答で、「(旅行など)出費の予定・欲しいものがある(23年7月134件→24年7月161件)」がやや増加した程度で、その他に目立って増減したものはありません。ネガティブな回答では、「今後の出費予定のために我慢(23年7月96件→24年7月117件)」がやや増加しました。また、「物価高・値上げ・円安」は、5ヵ月連続で前月から増加(24年2月59件→3月65件→4月78件→5月85件→6月114件→7月155件)し、前年比でも増加(23年7月118件→24年7月155件)しました。男女別では、女性の前年比での増加(23年7月55件→24年7月83件)が目立ちます。
夏休み、ボーナス期特有の意欲は前月から大きく上昇したものの、長期化し、深刻さを増す物価高の影響から、女性を中心に7月の消費意欲は例年より低めとなりそうです。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は29.4%で、前月比では+3.6ptと大幅に上昇し、前年比でも+1.2ptと上昇しました。男女別では、前月比で男性+6.3pt、女性+0.8pt、前年比では男性+5.5pt、女性ー3.2ptと、消費意欲指数同様に男性での上昇が目立っています。16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「旅行」「飲料」「書籍・エンタメ」など8カテゴリー、前年比では「書籍・エンタメ」「飲料」「外食」「食品」の4カテゴリーで20件以上増加しました。夏休みやボーナス期に向けて、幅広いカテゴリーで男性において消費意向が高まりそうです。