株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
※8月1-5日に調査
2024年9月の消費意欲指数は45.8点。前月比で-1.5pt、前年比でも-1.4ptと、ともに低下しました。
例年9月は、夏休みや帰省シーズンの8月に比べて消費意欲指数が低下する月です。今年も前月比で-1.5pt、前年比でも-1.4ptと、ともに低下しました。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(8月364件→9月291件)は減少し、ネガティブな回答(8月840件→8月888件)は増加しました。具体的には、ポジティブな回答で、「(夏休み・連休があるからなど)季節的な意欲向上(8月140件→9月65件)」「旅行の予定がある・行きたい(8月68件→9月32件)」が減少しています。ネガティブな回答では、「欲しいものがない・すでに買った(8月248件→9月312件)」「今月までに多く使った反動で節約(8月54件→9月97件)」が増加しました。また、8月に減少していた「物価高・値上げ・円安」は、再び増加(7月155件→8月82件→9月110件)しました。
前年比では、消費にポジティブな回答(23年9月302件→24年9月291件)、ネガティブな回答(23年9月880件→24年9月888件)ともに横ばいとなっています。具体的には、ポジティブな回答で、「出費の予定・欲しいものがある(23年9月157件→24年9月137件)」がやや減少し、ネガティブな回答では、「金欠・収入減などで余裕がない(23年9月67件→24年9月87件)」がやや増加した程度で、ポジティブな回答、ネガティブな回答ともに、大幅に増減した項目はありません。
夏休みや帰省シーズンを終えたことで節約意識が強まったことに加え、物価高への懸念が再び高まっており、例年と同様、9月の消費意欲は控えめになると予想されます。
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は23.2%で、前月比では-4.9ptと大幅に低下し、前年比でも-1.6ptと低下しました。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「旅行」「飲料」「レジャー」「外食」「食品」「ファッション」「理美容」「家電・AV」の8カテゴリーが20件以上減少しました。前年比では20件以上増減したカテゴリーはありません。夏休みや帰省シーズンを終え、旅行やレジャー、食関連など、幅広いカテゴリーで消費意向が落ち着く月となりそうです。